チョコレートの成分「チラミン」は痒みや頭痛の原因になるかも

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チラミンの構造式・立体イメージ

「食事やおやつの後、しばらくすると痒みや頭痛が出てくる。。」

こういうケースの原因のひとつが、食品に含まれるヒスタミン様物質(ヒスタミン類似物質)です。

たとえば、チョコレートなどに含まれる「チラミン」という物質は、痒みにつながる危険がありますし、偏頭痛を引き起こすリスクもあります。

そこでこの記事では、このチラミンが痒みや頭痛を起こす仕組みや注意点についてまとめてみたいと思います。

Picture by Sbrools, adapted, CC 表示-継承 3.0, Link

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チラミンってどんな物質?

チラミンの化学構造式

チラミンの構造式

チラミンはモノアミンと呼ばれる神経伝達物質の一種です。

人体内(脳内)で作られているほか、一部の食品にも含まれています。

同じモノアミンの仲間には、ヒスタミン・ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリン・セロトニンなどがあり、構造的によく似ています。

モノアミンに属する物質

モノアミンに属する神経伝達物質

picture by WikiSysop (licence).

摂取すると、ヒスタミンが引き起こすのと同じような症状が起きるため、チラミンはヒスタミン様物質(ヒスタミン類似物質)と呼ばれることもあります。

なぜ食品にチラミンが含まれているの?

脳内で作られているチラミンがどうして食品の中にも含まれているのか、ちょっと不思議ですよね。

この理由としては、

  1. 食品に付着している細菌(微生物)の働きによって発生したから
  2. もともとチラミンを含む植物があるから

の2つがあります。

魚介類などの食品には少なからず細菌が付いていますが、彼らは食品のタンパク質を分解します。

この過程で、アミノ酸の一種であるチロシンを原料としてチラミンが産生されてしまうそうです。※1

このような細菌の働きによって発生するのはチラミンだけではなく、他にもヒスタミン・フェネチルアミン・イソアミルアミンなど何種類かあります。

これらは腐敗アミンと呼ばれ、水産物や発酵食品の食中毒の原因となっています(たとえば、サバを食べた直後にじん麻疹が出るのは、この食中毒です)。

また、チョコレートの原料のカカオや一部のマメ科植物には、もともとチラミンが含まれていることが知られています。※2

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チラミンが頭痛や痒みを引き起こす理由

チラミンを摂取すると頭痛や痒みの症状が出てくるのは、チラミンの持つ

  1. 血管収縮
  2. ヒスタミン代謝酵素阻害

という2つの働きのせいです。

チラミンが血管を収縮させ、その後血管が拡張すると頭痛が起きる

チョコレートやココア、チーズや赤ワインなどは、昔から偏頭痛の原因の1つと考えられてきました。

その理由の一つは、これらの食品がチラミンを含むからです。

チラミンを摂取すると、

体内に入ったチラミンが血管を収縮させる(血管収縮作用)

その後しらばらくしてその効果が無くなる

逆に血管が拡張する

偏頭痛が起こる

のような仕組みで偏頭痛が起こることがあります。

チラミンを摂取した場合に起こりうる症状には、他にも

  • 血圧上昇作用
  • 高血圧症
  • 発熱・発汗
  • 嘔吐おうと

などがあります(500mgを経口摂取した場合)。

もちろん、チラミンを摂ったからといって、全ての人にこれらの症状が出るわけではありません。

どれだけ敏感に反応するかは体質によって異なりますし、体調によっても変わってきます。

チラミンはヒスタミン代謝酵素の邪魔をする

モノアミン酸化酵素(ヒスタミン分解酵素)

モノアミン酸化酵素(MOA)

ヒスタミンは体内にずっと居座り続けるのではなく、ヒスタミン代謝酵素によって分解されます。

これは、からだが分泌したヒスタミンも、食品から摂取したヒスタミンも同様です。

そして、いくつかあるヒスタミン代謝酵素のうち、「モノアミン酸化酵素(MAO)」と呼ばれるものが特に重要な役割を持っているそうです。

このモノアミン酸化酵素ですが、そのターゲットはヒスタミンだけではなく、チラミンなど他のモノアミンの分解も行っています。

このため、チラミンが体内に入ってくると代謝酵素が余計に働くことになり、ヒスタミン分解の効率が落ちると考えられています。

ヒスタミンの分解がうまく行われなくなると、アレルギー症状が収まりにくくなったり、食中毒であれば症状が強くなる・長くなるなどの悪影響が出てきてしまいます。

この仕組みについて、東京都健康安全研究センターの文書から一部引用します。
文中の"Him"はヒスタミンを、"Tym"はチラミンを意味しています)

Him はアレルギー様食中毒の原因物質として古くから知られており、Him の毒性は、Him 単独よりも腐敗した食品等を摂取した時の方が強いといわれている。

それは、共存する他のアミン類であるTym、プトレシン(Put)、カダベリン(Cad)、スペルミジン(Spd)、スペルミン(Spm)、Phm 等がHim を解毒する酵素を阻害するためといわれている。


発酵食品に含まれるアミン類』-東京都健康安全研究センター

アトピーの皮膚炎がある状態ですと、体内のヒスタミンの分泌量は通常よりも多いですから、チラミン摂取による悪影響も大きくなると思われます。

チラミンを含む食品のリスト

上でも少し触れましたが、チラミンを含む(可能性のある)食品の例は以下のとおりです。

  • カカオ(チョコレート・ココア)
  • 赤ワイン
  • 鮮度の落ちた青魚(サバなど)
  • 熟成チーズ
  • 漬け物・キムチ・ヨーグルトなどの発酵食品
  • ベーコンやハムなどの燻製食品
  • 醤油・魚醤・

この中に「食べると必ず痒みが出る」という食品がある場合、その食品に含まれるチラミンが原因かもしれません。

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まとめ

以上、ヒスタミン様物質の一つ、チラミンについて少し詳しくまとめてみました。

含まれるチラミンの量は食品によって様々ですし、その影響も人によって違ってきます。

最後にこういうことを言うのもアレですが、おそらく、「チラミンを含む食品を食べても変化を何も感じない人がほとんど」というのが、実際のところだと思います。

ですが、アトピーの状態が酷かったり、かなり過敏にアレルギー反応が起こってしまっている場合には、チラミンを含む食品には注意したほうが安全です。

チラミンによってヒスタミンの悪影響が強く出てしまい、アトピー悪化に繋がりかねないからです。

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