そのステロイドの強さは大丈夫?強度ランクごとの正しい使い分け

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アトピー治療に使うステロイド外用薬には5段階の強さの分類があり、

お医者さんは患者の皮膚炎の状態や年齢などを考慮して、ステロイドの強さを決めてくれているはずです。

でも、処方されたステロイド外用薬の強さはどれくらいなのか?なぜその強さなのか? といった点をきちんと説明してくれる皮膚科医は意外と少ないです。

ですから、

このステロイド塗り薬、強すぎたりしないかな?副作用が心配・・・。

なかなか皮膚炎が治らないんですけど。。ステロイドが弱いせい?

顔に塗るステロイドはこれでいいのかな?

赤ちゃんや子どもには、この強さのステロイドで大丈夫?

などなど、ステロイド外用薬の強さに関する色々な心配や不安を持ってしまいます。

 

しかし、このような不安や心配・疑問は、強さの違うステロイド外用薬の使い分け方についてきちんと知ると、すぐに解消できるはずです。

そこで、この記事では、

  • 強さの異なるステロイド外用薬の使い分けの方法・基準
  • 乳幼児・小児に使うステロイド外用薬の強さの目安

などについてお話したいと思います。

この記事を読むと次のことが分かります
  • ステロイド塗り薬の強さごとの使い分けの3つの基準
  • ご自分の使っているステロイド外用薬の強度ランクは大丈夫か?
  • 子どものアトピーに使うステロイド外用薬の強さの目安
  • 妊娠中・授乳中にステロイド外用薬を使う場合の注意点

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1. 強さの異なるステロイド外用薬を使い分ける3つの基準

ステロイド外用薬は、

  • Ⅰ群:Strongest(ストロンゲスト)
  • Ⅱ群:Very Strong(ベリーストロング)
  • Ⅲ群:Strong(ストロング)
  • Ⅳ群:Mild(マイルド)
  • Ⅴ群:Weak(ウィーク)

のように、その効果の強さによって5つのランクに分類されています。

そして、強さの異なるステロイド外用薬は、主に以下の3つの基準によって使い分けられています。

その3つの基準とは、

  • 皮膚炎の症状の度合い(重症度)
  • 塗る皮膚の部位
  • 年齢

の3つです。

これから、この3つの基準について順番に見ていきます。

2. 皮膚炎の症状の度合いによって使い分ける

アトピー性皮膚炎の治療では、

  • 皮膚炎の症状が重い場合には、より強いステロイド外用薬を使う
  • 皮膚炎の症状が軽い場合には、より弱いステロイド外用薬を使う

というように、皮膚炎の症状の度合によってステロイド塗り薬の強さを使い分けます。

これは考えてみれば当たり前のことですから、すぐに納得出来ます。

 

でも、この点は結構重要です。

というのも、皮膚炎の状態に合っていない強さのステロイド外用薬を使うと、

  • 皮膚炎の症状がほとんど治まっているのに、必要以上に強いステロイド外用薬を使い続けると、副作用の発生リスクが高まってしまう
  • 皮膚炎を抑えるのに不十分な強さのステロイドを塗り続けても、なかなか皮膚炎が治らず、慢性化してしまう。結果として、トータルでステロイドの使用量が多くなってしまう。

というような問題が発生してしまうからです。

 

そして、より問題になるのは後者の方です。

皮膚炎の重症度に照らして不十分な強さのステロイド外用薬を使っている場合、なかなか皮膚炎が治りません。

皮膚表面の皮膚炎が治りませんので、皮膚のバリア機能も回復しませんから、痒みも残り続けてしまいます。

さらに、ステロイド外用薬を使っているのになかなか治らないため、ステロイドに対する不信感を抱いてしまう危険性もあります。

その結果、脱ステロイドを勧める民間療法・代替療法に興味を持ち、過酷な脱ステロイドにチャレンジしてしまう・・・そしてアトピーが重症化する・・・

といった、私が考えるに「最悪の」悪循環に陥るリスクも存在します。

 

アトピー治療の基本的な流れは、

適切な強さのステロイド外用薬を十分な量使って、皮膚炎を抑えて肌を綺麗にする。

その上でアトピー悪化原因を1つ1つ取り除いて、皮膚炎が出にくくしていく。

というものです。

皮膚炎を鎮めるに十分な適切な強さのステロイド外用薬を使うことは、アトピー性皮膚炎治療の最重要ポイントの1つです。

2-1. 自分の皮膚炎の症状に見合ったステロイドの強さはどれくらい?

適切な強さのステロイド外用薬を知るためには、自分のアトピー性皮膚炎の症状の度合を判断する必要があります。

日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』の中に、皮膚炎の重症度の診断基準についての記載はありますから、ある程度の知識を得ることはできます。

しかしこの文章は、私たち一般人にとっては読みにくく、理解するのはかなり難しいものです。

しかも、実際の皮膚炎の症状の判断には、専門家としての経験の蓄積も必要となるはずです。

このように考えると、自分で自分の皮膚炎の重症度を判断するのは難しいですし、誤診のリスクもつきまといます。

ですから、皮膚炎の症状の度合いは、皮膚科医に診断してもらうのが一番確実です(当たり前ですが)。

また、その時点での自分の皮膚炎の症状の度合をチェックしてもらい、それに見合った強さのステロイド外用薬を処方してもらうためにも、面倒でも定期的に皮膚科に通うことが大切です。


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3. 塗る皮膚の部位によって使い分ける

ステロイド外用薬の強さの使い分け、次の基準は「皮膚の部位」です。

ステロイド外用薬の効き方は、それを塗る身体の部位によって大きく異なります。

それは、ステロイド成分の吸収率が身体の部位によって違うからです。

 

同じ皮膚でも皮膚の厚さは部位によって様々で、この皮膚の厚さの違いがステロイド吸収率の違いに繋がります。

具体的には、皮膚が薄ければ吸収率は高く、皮膚が厚ければ吸収率は低くなります。

 

例えば、顔の皮膚は薄いためステロイド吸収率が高く、ステロイド外用薬は「効きやすく」なります。その分、副作用の発生にはより注意が必要になります。

逆に、手の甲や足首などは皮膚が分厚いですから、ステロイド吸収率が低く、ステロイド外用薬は「効きにくく」なります。その分、皮膚炎を抑えるためには、より強いステロイド外用薬を使う必要があります。

 

このことから、同程度の皮膚炎でも、その皮膚炎が生じている部位によってステロイド外用薬の強さを使い分ける必要が出てきます。

ですから、

  • 皮膚の薄い部位(顔・首・陰部など)は、より弱いステロイド外用薬を使う。
  • 皮膚の厚い部位(手足、腕など)は、より強いステロイド外用薬を使う。

というような使い分けが、基本方針になります。

ただし、実際にどのランクのステロイド外用薬を使うかは、皮膚科医が皮膚炎の症状を見て、総合的に判断します。

例えば、顔の皮膚炎でもその症状が重い場合には、MildやWeakなどの弱いランクのステロイド外用薬ではなく、Strongクラスのステロイド外用薬が処方される場合も考えられます。

また、手の甲や足首など、皮膚が厚くてステロイド吸収率の低い部位に対しては、Strongest(最強)ランクのステロイド外用薬が処方されることもあり得ます。

 

以上のことを知ると、

顔用のMildランクのステロイド外用薬が無くなったから、身体用のVery Strongランクのステロイドを塗っちゃおう

手足の皮膚炎がまだ残ってる。でも皮膚科に行く時間が無いから、市販のステロイド外用薬を塗り続けておこう

というような考えは、実はかなり危険な行為であることが分かるはずです。

顔に強すぎるステロイド外用薬を使えば、ステロイド紅潮や酒さ様皮膚炎といった副作用の発生リスクを高めてしまいます。

また、市販のステロイド外用薬の強さはStrong以下ですから、ステロイド吸収率の低い手足の皮膚炎に対しては強さが不十分であるケースも多く、その場合には皮膚炎がなかなか治らずに慢性化してしまいます。

しかし実際には、このような「危険な行為」は結構ありがちなのでは?と思います(実際、私もやっていました)。

 

ステロイド外用薬は、皮膚の部位ごとに見合った強さのものを使わなければならない

という単純なルールですが、ステロイド外用薬のリスクを不必要に高めないためにも、かなり重要なものだと言えます。

次のページでは、年齢ごとのステロイド外用薬強度の使い分けや、妊娠中・授乳中のステロイド外用薬の使い方について見ていきます。


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 Category: ステロイド塗り薬の正しい使い方