見やすいステロイド外用薬の強さランク一覧表(ジェネリックも)

 投稿日    最終更新日 2017/08/22

ステロイド外用薬強度ランク一覧表

アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイド外用薬には、その効き目の強さに応じて5段階の強度ランクがあります。

この記事では、お使いのステロイド外用薬の強さランクがわかるステロイド外用薬の強度ランク一覧表(ジェネリック対応)を掲載しています。

ステロイドは、皮膚炎の度合い・塗る場所・年齢などによってその強さを使い分けないといけません。

強さが合っていないと、皮膚炎が治りきらなかったり副作用リスクが高まったりするからです。

安全なアトピー治療のためにも、一覧表でお手元のステロイドの強さを確認してみてください。

また、強さの使い分け方についてもお話ししていますので、合わせてご覧ください。

スポンサーリンク

ステロイド外用薬の強度ランク一覧表

日本で販売されているステロイド外用薬の強度ランクによる分類は、以下の通りです。

Ⅰ群 Strongest (ストロンゲスト)
※ Very Strongのランクでも十分な効果が得られない重症時に使用。
先発薬 ジェネリック 一般名(成分名)
デルモベート デルトピカ クロベタゾールプロピオン酸エステル
マイアロン
ジフラール カイノチーム ジフロラゾン酢酸エステル
アナミドール
ダイアコート アナミドール ジフロラゾン酢酸エステル
ジフロラゾン酢酸エステル0.05%「YD」
Ⅱ群 Very Strong (ベリーストロング)
※ 重症時の第一選択薬として使用。
先発薬 ジェネリック 一般名(成分名)
フルメタ マイセラ モメタゾンフランカルボン酸エステル
フランカルボン酸モメタゾン0.1%「イワキ」
アンテベート アンフラベート ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
サレックス
トプシム ベスタゾン フルオシノニド
フルオシノニド0.05%「テイコク」
リンデロン-DP ディーピーポロン ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
ダイプロセル
マイザー スチブロン ジフルプレドナート
ジフルプレドナート0.05%「KN」
ビスダーム 該当なし アムシノニド
ネリゾナ アルゾナ ジフルコルトロン吉草酸エステル
パンデル ハーユロン 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
イトロン
Ⅲ群 Strong (ストロング)
※ 中等症時の第一選択薬として使用。
先発薬 ジェネリック 一般名(成分名)
エクラー アロミドン デプロドンプロピオン酸エステル
メサデルム メインベート デキサメタゾンプロピオン酸エステル
プロメタゾン
ボアラ
ザルックス
該当なし デキサメタゾン吉草酸エステル
ベトネベート
リンデロン-V
ケリグロール ベタメタゾン吉草酸エステル
デルモゾール
プロパデルム ベクラシン ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
フルコート ポリシラール フルオシノロンアセトニド
フルポロン
Ⅳ群 Mild (マイルド)
※ 軽症時の第一選択薬として使用。Medium(ミディアム)と呼ばれることも。
先発薬 ジェネリック 一般名(成分名)
リドメックス スピラゾン プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
ユーメトン
アルメタ タルメア アルクロメタゾンプロピオン酸エステル
ビトラ
キンダベート パルデス クロベタゾン酪酸エステル
キンダロン
ロコイド アボコート ヒドロコルチゾン酪酸エステル
レダコート ノギロン トリアムシノロンアセトニド
Ⅴ群 Weak (ウィーク)
※ 顔面に使用することがある。
先発薬 ジェネリック 一般名(成分名)
コルテス 該当なし 酢酸ヒドロコルチゾン
プレドニゾロン プレドニゾロン軟膏0.5%「マイラン」 プレドニゾロン
プレドニゾロンクリーム0.5%「タツミ」

以下の文献を参照し、2017年7月時点の情報を元に作成しています。

各先発薬に対応するジェネリック製品については、以下のウェブサイトを参照し、主要なものを掲載しています。

表中"Ⅳ群 Mild"の「リドメックス」は、文献によっては"Ⅲ群 Strong"に分類されることもあります。

煩雑を避けるため、製品商標マーク®は省略しています。

ステロイド外用薬のランク分類は、研究者や文献によって微妙に異なることがあります。

しかし、「あるステロイド外用薬のランクが2段階異なる」というようなレベルの大きな違いはありませんから、特定のランク分類を使っても実際には問題無いと思われます。

上記の表は日本皮膚科学会のガイドラインに準拠したものですから、皮膚科医に広く使われている一般的なものだと言えます。

スポンサーリンク

強さの違うステロイド外用薬、どう使い分ければいい?

カルテを見る男性医師
ステロイド外用薬できちんと皮膚炎を抑えるには、適切な強さのステロイドを選ばないといけません。

これは、ステロイドの副作用を防ぐことにもつながります。

では、ステロイドの強さはどのように選べばいいのでしょうか?

その基準となるのは、主に

  • 皮膚炎の症状の度合(重症度)
  • 使用する身体の部位
  • 年齢(ライフステージ)

の3つです。

炎症が酷い部分は強め、軽い部分は弱めのステロイド

まず、皮膚炎の症状が重いケースではより強いステロイドを、軽いケースではより弱いステロイドを選びます。

例えば大人の身体のアトピーの場合ですと、

  • 軽症: ストロング
  • 中等症: ストロング又はベリーストロング
  • 重症: ストロンゲスト

のように、症状の程度に応じてステロイドの強さが違ってきます。

最初は強めのステロイドが処方されて、症状に改善が見られたら1ランク弱いモノに変えていく、というのが標準的な治療スタンスです。

ステロイドを塗る部分によって強さを変える

からだの部位ごとのステロイド吸収率

からだの部位ごとのステロイド吸収率

また、体のどこに皮膚炎が出ているのか?によっても、使うステロイドの強さは変わってきます。

具体的には、顔や首などの皮膚の薄い部分にはより弱いステロイド外用薬を、手足などの皮膚の厚い部分にはより強いモノを使います。

これは、

  • 皮膚の薄い部分
    ステロイド成分の吸収率が高く効果が大きい。
    弱いステロイド外用薬で十分。
    ※ 逆に、強すぎると副作用リスクが高まる。
  • 皮膚の厚い部分
    ステロイド吸収率が(相対的に)低く効果が小さい。
    弱いステロイドだと皮膚炎がきちんとしずまらない。
    強めのステロイド外用薬を選ぶ。
    ※ 弱いステロイドを使うと皮膚炎が慢性化してステロイド使用期間が長引くため、逆に副作用リスクが高まる。

ということです。

たとえば大人の場合、顔のアトピーには通常、マイルド以下のステロイドが使われます。

ストロング以上のステロイドを使ってしまうと、皮膚に副作用が出やすくなってしまうからです。

一方、からだのアトピーに対してマイルドクラスのステロイドが処方されるケースは少ないです。

からだの部位ごとのステロイドの吸収率と効果・副作用のあらわれ方については、↓の記事で詳しくまとめています。

» 【要注意】ステロイドは皮膚の部位によって吸収率と影響が違う

子どもには1ランク低い強さのステロイドをつかう

女の子のワンポイントアドバイス

年齢(ライフステージ)によってもステロイド外用薬の強さを使い分けます。

子どもは大人に比べて皮膚が薄く、からだ全体に対する皮膚の表面積の割合も大きいため、ステロイドの影響がより強く出ます。

ステロイドが効きやすい一方、副作用も出やすいということです。

ですから、子どもに使うステロイド外用薬は、大人に比べて1ランク下げることが通常です。

また、妊婦や授乳中の女性の場合にも、ステロイド外用薬の使い方が変わってきます。

より弱いステロイド外用薬を使用したり、使用する部位に気を付ける必要があるからです。

以上のように、ステロイド外用薬の強さは、皮膚炎の症状・部位・年齢などによって使い分けることが必要になります。

2種類以上のステロイド外用薬が処方された場合には、塗る部分がそれぞれ違います。

お医者さんに薬の種類と使い方を確認して、その通りに適切にステロイドを塗りましょう。

ただ、ステロイドの強さの選び方はお医者さんによって違うこともあります。

お薬の処方について質問をしたいときや、セカンド・オピニオンをもらいたいときのためにも、ステロイドについてある程度の知識はあったほうが安全だと思います。

こちらのカテゴリの記事↓をご覧になれば、ステロイドについて十分な知識が得られるはずです。ぜひご活用ください。

» 『ステロイドについての正しい知識』

ステロイド外用薬の強度ランク分類のマメ知識

自分が使っているステロイド外用薬の強さはどれくらいなのか?が分かれば、それだけで良いのですが、

  • ステロイド外用薬の強度ランク分類は、何を基準に決まっているのか?
  • ステロイド外用薬の成分の濃度は、強さにどう影響するのか?

など、私のように細かい点が気になる場合もあるかもしれません。

そこで、ここでマメ知識(ご参考)として、これらについてお話したいと思います。

ステロイド外用薬の強度ランクはどうやって決まる?

聴診器を使うお医者さん
外用薬の効き目は数値で客観的に評価するのが難しいため、ステロイド外用薬の「血管収縮能」の強弱を測定し、それを主な根拠にして強さのランクが決められています。

皮膚に塗られたステロイド外用薬は毛細血管を収縮させる作用を持っていて、これを血管収縮能と呼びます。

ステロイド外用薬の効き目はこの血管収縮能と比例関係にあると考えられているため、これを基準にしてステロイド外用薬の強度ランクを分類している、ということです。

実際には、血管収縮能を主な基準としつつ、専門家の意見(エキスパート・オピニオン)も参考にされた上で強度ランクは決められています。

そのため、研究者や企業によって微妙にその分類が異なることもあります。

ステロイド外用薬の成分濃度が高いなら、そのステロイドは強い?

ステロイド外用薬の成分名(一般名)をよく見ると、濃度表記があることに気が付きます。

例えば、

  • デルモベート軟膏(Strongest)
    → クロベタゾールプロピオン酸エステル0.05%
  • アルメタ軟膏(Mild)
    → アルクロメタゾンプロピオン酸エステル0.1%

のように、0.05%とか0.1%とか、濃度が表示されています。

濃度だけを見ると、アルメタ軟膏の方がデルモベート軟膏よりも高いです。

しかし、ステロイド外用薬の強さは、比較にならないほどデルモベート軟膏の方が強いです。

これは、ステロイドの成分自体に効果の「強い・弱い」があるためです。

ステロイドの強い・弱いはその化学構造式の時点で決まっていて、薬品として製品化する際にお薬の強さを調整するために濃度が調整されています。

成分自体の強さが違うのですから、濃度を比較しても意味はありません。

つまり、ステロイド外用薬の成分濃度と強さは無関係ということです。

なんだか小難しく話してしまいましたが、こんな例え話だと分かりやすいかもしれません。

中濃ソースのイメージ

中濃ソースを1/2,000まで薄めたもの(濃度0.05%)と、ウスターソースを1/1,000まで薄めたもの(濃度0.1%)があるとします。

このとき、その2つを見て、「ウスターソースで作ったやつの方が濃度が高いから、味が濃い!」とは言えないはずです。

濃度だけの比較には意味はなく、味の濃さは実際に舐めてみないと分かりません。

こんなイメージです。

例えが分かりづらい場合は、この話は忘れて下さい。

Picture by eefeewahfah (Condiments) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

スポンサーリンク

ステロイド外用薬のジェネリック製品の注意点

ジェネリック医薬品

ステロイド外用薬のほとんどには、ジェネリック医薬品があります。

お薬代が安く済みますから、薬局でジェネリック製品を貰っている方も多いのではないでしょうか。

さて、このジェネリックについて、国や行政は

no name
ジェネリック医薬品の効果は、先発薬と同一です!

のように言っています。

しかし、ステロイド外用薬に限って言えば、効果が同一でないケースもあると思われます。

なぜなら、先発薬とジェネリック薬でステロイド成分は同じでも、基剤(ステロイド以外の成分)が異なることがあるからです。

基剤がどんな配合なっているかは、皮膚でのステロイド吸収率に少なからず影響すると考えられています。

皮膚へのステロイド成分の吸収率が変われば、その効き目(皮膚炎の治りかた)も違ってきます。

ジェネリックのステロイド外用薬を使っていて、「治りかたがイマイチかな?」と感じるのであれば、先発薬で貰うことをおすすめします。

特にお子さんの場合、自治体からの医療費補助でお薬代はほとんどかかりませんから、ジェネリックではなく先発薬をもらったほうが良いと思います。

ステロイド外用薬のジェネリック製品の効き目については、↓の記事で詳しく取り上げています(根拠など)。

» ステロイド外用薬のジェネリック医薬品の効果は先発薬と同じ?

まとめ

皮膚科でおクスリをもらった場合、「お医者さんの指示通りにステロイドを塗ればいい」というのは正しいのですが、お医者さんの指示の根拠や理由を知っておくと、もっと安全にステロイド外用薬を使えるはずです。

ステロイドの強さに応じた使い分け方については、以下の記事でもう少し具体的にお話ししています。

よろしければご覧ください。

» そのステロイドの強さは大丈夫?強度ランクごとの正しい使い分け

スポンサーリンク

▼ 読むとアトピー完治までの道筋が分かります ▼

1
【安全・着実なアトピー治療】アトピー完治までの7ステップ

アトピー性皮膚炎は治りにくいと言われていますが、きちんとした治療手順を踏めば治す ...

2
あなたはどれ?自分のアトピー悪化原因が分かるチェックリスト

アトピー性皮膚炎を治すためには、 ご自分のアトピーを悪化させている原因は何か? ...

 Category: ステロイドの正しい知識