見やすいステロイド外用薬の強さランク一覧表(ジェネリックも)

 投稿日    最終更新日 2016/04/14

ステロイド外用薬強度ランク一覧表

アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイド外用薬には、その薬効の強さに応じて、5段階の強度ランクが設定されています。

このように強度によってランク付けされているのは、

  • 皮膚炎の症状の度合によって使い分けること
  • 塗る身体の部位によって使い分けること
  • 乳幼児・小児・成人・妊婦などのライフステージによって使い分けること

などが理由です。

私たちがステロイド外用薬を使う際には、

使用するステロイド外用薬がどのランクの強さのもので、皮膚炎の状態や使用する部位にきちんと適合しているか?

という点を把握することが大切です。

使用するステロイド外用薬の強さが不適切だと、皮膚炎がきちんと収まらなかったり、副作用の発生リスクが高まってしまうからです。

この記事では、お使いのステロイド外用薬の強さランクが分かる、

ステロイド外用薬の強度ランク一覧表

を掲載しています。

ジェネリック医薬品の名称についても、合わせて記載しています。

この記事を読むと次のことが分かります
  • ステロイド外用薬の強度ランク(ジェネリック含む)
  • 症状の程度に応じた、ステロイド外用薬のランクの使い分けの考え方
  • ステロイド外用薬の強度ランクの決められ方
  • ジェネリック医薬品の注意点

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1. ステロイド外用薬の強度ランク一覧表

日本で販売されているステロイド外用薬の強度ランクによる分類は、以下の通りです。

Ⅰ群:Strongest(ストロンゲスト)
※ Very Strongのランクでも十分な効果が得られない重症時に使用。
先発薬
製品名
ジェネリック
製品名
一般名
(成分名)
デルモベート デルトピカ クロベタゾールプロピオン酸エステル
マイアロン
ジフラール カイノチーム ジフロラゾン酢酸エステル
アナミドール
ダイアコート アナミドール ジフロラゾン酢酸エステル
ジフロラゾン酢酸エステル0.05%「YD」
Ⅱ群:Very Strong(ベリーストロング)
※ 重症時の第一選択薬として使用。
先発薬
製品名
ジェネリック
製品名
一般名
(成分名)
フルメタ マイセラ モメタゾンフランカルボン酸エステル
フランカルボン酸モメタゾン0.1%「イワキ」
アンテベート アンフラベート ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
サレックス
トプシム ベスタゾン フルオシノニド
フルオシノニド0.05%「テイコク」
リンデロン-DP ディーピーポロン ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
ダイプロセル
マイザー スチブロン ジフルプレドナート
ジフルプレドナート0.05%「KN」
ビスダーム 該当なし アムシノニド
ネリゾナ アルゾナ ジフルコルトロン吉草酸エステル
パンデル ハーユロン 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
イトロン
Ⅲ群:Strong(ストロング)
※ 中等症時の第一選択薬として使用。
先発薬
製品名
ジェネリック
製品名
一般名
(成分名)
エクラー アロミドン デプロドンプロピオン酸エステル
メサデルム メインベート デキサメタゾンプロピオン酸エステル
プロメタゾン
ボアラ
ザルックス
該当なし デキサメタゾン吉草酸エステル
ベトネベート
リンデロン-V
ケリグロール ベタメタゾン吉草酸エステル
デルモゾール
プロパデルム ベクラシン ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
フルコート ポリシラール フルオシノロンアセトニド
フルポロン
リドメックス スピラゾン プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
ユーメトン
Ⅳ群:Mild(マイルド)
※ 軽症時の第一選択薬として使用。Medium(ミディアム)と呼ばれることも。
先発薬
製品名
ジェネリック
製品名
一般名
(成分名)
アルメタ タルメア アルクロメタゾンプロピオン酸エステル
ビトラ
キンダベート パルデス クロベタゾン酪酸エステル
キンダロン
ロコイド アボコート ヒドロコルチゾン酪酸エステル
レダコート ノギロン トリアムシノロンアセトニド
Ⅴ群:Weak(ウィーク)
※ 顔面に使用することがある。
先発薬
製品名
ジェネリック
製品名
一般名
(成分名)
コルテス 該当なし 酢酸ヒドロコルチゾン
プレドニゾロン プレドニゾロン軟膏0.5%「マイラン」 プレドニゾロン
プレドニゾロンクリーム0.5%「タツミ」

※1 以下の文献を参照し、2016年4月時点の情報を元に作成しています。

※2 ジェネリック医薬品については、主要な製品のみ表示しています。

※3 煩雑を避けるため、製品商標マーク®は省略しています。

ステロイド外用薬の強度ランク分類は、研究者や文献によって微妙に異なることがあります。

しかし、「あるステロイド外用薬のランクが2段階異なる」というような大きな差異はありませんから、実際には特定のランク分類を使っても問題は無いと思われます。

上記の表は、日本皮膚科学会のガイドラインに準拠したものですから、皮膚科医に広く使われている一般的なものだと言えます。


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2. 強さの違うステロイド外用薬、どう使い分ければいい?

ステロイド外用薬できちんと皮膚炎を抑えるには、適切な強さのステロイドをきちんと塗ることが必要です。

これは、ステロイドの副作用を防ぐことにも繋がります。

では、強さの異なるステロイド外用薬は、どのように使い分ければ良いのでしょうか。

使い分けの基準となるのは、主に

  • 皮膚炎の症状の度合(重症度)
  • 使用する身体の部位
  • 年齢(ライフステージ)

の3つです。

まず、皮膚炎の症状が重い場合にはより強いステロイド外用薬を、皮膚炎の症状が軽い場合にはより弱いステロイド外用薬を使います。

これは、言ってみれば当たり前ですから、理解しやすいと思います。

 

また、使用する身体の部位によっても、ステロイド外用薬の強さを使い分けます。

具体的には、皮膚の薄い顔・首・陰部などにはより弱いステロイド外用薬を、手足などの皮膚の厚い部位にはより強いステロイド外用薬を使います。

皮膚の薄い部位ではステロイド成分の吸収率が高く、効果が大きいですから、弱いステロイド外用薬で十分ということです。

逆に、皮膚の薄い部位に強いステロイド外用薬を使うと、副作用の発生リスクが高まります。

一方、皮膚の厚い部位には、相対的に強いステロイド外用薬を使用します。弱いステロイドを塗っても、皮膚炎がきちんと抑えられないからです。

 

最後に、年齢(ライフステージ)によってもステロイド外用薬の強さを使い分けます。

子どもは大人に比べて皮膚が薄く、身体全体に対する皮膚の表面積の割合も大きいため、ステロイドの影響がより強く出ます。

ステロイドが効きやすい一方、副作用も出やすいということです。

ですから、子どもに使うステロイド外用薬は、大人に比べて1ランク下げることが通常です。

また、妊婦や授乳中の女性の場合にも、ステロイド外用薬の使い方が変わってきます。より弱いステロイド外用薬を使用したり、使用する部位に気を付ける必要があるからです。

 

以上のように、ステロイド外用薬の強さは、皮膚炎の症状・部位・年齢などによって使い分けることが必要になります。

使い分けの方法は、かかりつけの皮膚科医に詳しく聞いて、その通りに適切にステロイドを塗りましょう。

ステロイド外用薬の使い方についての皮膚科医の指導が本当に適切なのか?という点について、自分でも確認するためにも、ステロイド外用薬についての知識はある程度持っていた方が安全です。

3. ステロイド外用薬の強度ランク分類のマメ知識

自分が使っているステロイド外用薬の強さはどれくらいなのか?が分かれば、それだけで良いのですが、

  • ステロイド外用薬の強度ランク分類は、何を基準に決まっているのか?
  • ステロイド外用薬の成分の濃度は、強さにどう影響するのか?

など、私のように細かい点が気になる場合もあるかもしれません。

そこで、ここでマメ知識(ご参考)として、これらについてお話したいと思います。

3-1. ステロイド外用薬の強度ランク分類は、どうやって決まっているのか?

外用薬の効き目、つまり「ステロイド外用薬で皮膚炎がどの程度治るか?」ということは、数値などで客観的に評価することが難しいため、ステロイド外用薬の「血管収縮能」の強弱を測定し、主にそれを元に強さのランク分類が決められています。

皮膚に塗られたステロイド外用薬は、毛細血管を収縮させる作用を持っていて、これを血管収縮能と呼びます。

ステロイド外用薬の効き目は、この血管収縮能と比例関係にあると考えられているため、これを基準にしてステロイド外用薬の強度ランクを分類している、ということです。

実際には、血管収縮能を主な基準としつつ、専門家の意見(エキスパート・オピニオン)を参考にしつつ、ステロイド外用薬の強度ランクは決められています。

そのため、研究者や企業によって、微妙にその分類は異なることになります。

3-2. ステロイド外用薬の成分濃度が高いなら、そのステロイドは強いの?

ステロイド外用薬の成分名(一般名)をよく見ると、濃度の表記があることに気が付きます。

例えば、

  • デルモベート軟膏(Strongest)
    → クロベタゾールプロピオン酸エステル0.05%
  • アルメタ軟膏(Mild)
    → アルクロメタゾンプロピオン酸エステル0.1%

のように、「0.05%」とか「0.1%」とか、濃度が表示されています。

濃度だけを見ると、アルメタ軟膏の方がデルモベート軟膏よりも高いです。

しかし、ステロイド外用薬の強さは、比べ物にならないくらいデルモベート軟膏の方が強いです。

 

これは、ステロイドの成分自体に、効果の「強い・弱い」があるためです。

ステロイドの強い・弱いは、その化学構造式の時点で決まっていて、薬品として製品化するにあたって、お薬の強さを調整するために濃度が調整されています。

成分自体の強さが違うのですから、濃度を比較しても意味はありません。

つまり、

ステロイド外用薬の強い・弱いと、成分濃度は無関係

ということです。

なんだか小難しく話してしまいましたが、例えば

とんかつソースを1/2,000まで薄めたもの(濃度0.05%)と、ウスターソースを1/1,000まで薄めたもの(濃度0.1%)があるとして、

その2つを見て、「ウスターソースで作ったやつの方が濃度が高いから、味が濃いはず!」とは言えないはずです。

濃度だけの比較には意味はなく、味の濃さは実際に舐めてみないと分かりません。

こんなイメージです。

例え話が分かりづらい場合は、この話は忘れて下さい。

4. ステロイド外用薬のジェネリック製品の注意点

ステロイド外用薬のほとんどには、ジェネリック医薬品があります。

お薬代が安く済みますから、薬局でジェネリック製品を買っている方も多いのではないでしょうか。

国や行政は、

ジェネリック医薬品の効果は、先発薬と同一です!

と言っています。

しかし、ステロイド外用薬に限って言えば、これはかなり怪しいです。

なぜなら、先発薬とジェネリック薬で、ステロイド成分は同じでも、基剤(ステロイド以外の成分)が異なることがあるからです。

基剤がどんな配合なっているかは、ステロイドの皮膚での吸収率に少なからず影響すると考えられています。

基剤が異なれば、皮膚へのステロイド成分の吸収率も変化することになりますから、その効果も違ってきます。

ですから、

先発薬とジェネリック薬の全成分を比較して基剤が異なる場合には、その効果は同一ではない危険性がある

と考えた方がよさそうです。

 

基剤の比較とか面倒なことをしたくない場合には、少々高くても、先発薬の方を選択した方が無難だと私は考えます。

特に、子どもの場合には、自治体からの医療費補助があるため、お薬代はかからないことが多いはずですから、ジェネリックではなく先発薬を貰うことをおすすめします。

5. まとめ

ご自分の使っているステロイド外用薬は、どれくらいの強さなのか?を把握することは、意外と大事です。

例えば、身体に使っているステロイドがVery Strongであれば、顔用のステロイド塗り薬が切れたからといって、それを顔に塗ろうとは思わないはずです。

顔に使うには強すぎるからです。

逆に、ステロイドのランクを把握してなければ、Very Strongなどの顔面には使うべきでないステロイド外用薬を、長期間顔に使ってしまった、という事態もあり得ます。

 

「お医者さんの指示通りにステロイドを塗ればいい」

というのは正しいのですが、お医者さんの指示の根拠や理由を知っておくと、もっと安全かつ効果的にステロイド外用薬を使えるはずです。

ステロイド外用薬を処方されたら、強度ランクを確認する

この一手間が、アトピー治療をより安全にするのかもしれません。


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