ステロイド外用薬は1日何回どのタイミングで塗るのが正しい?

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アトピー性皮膚炎を治していくためには、まずは皮膚炎をしっかりと鎮めることが大切です。

そのためにはステロイド外用薬を適切に使う必要がありますが、そのとき重要になるのが

  • ステロイド外用薬の強さ(ランク)
  • ステロイド外用薬を塗る量
  • ステロイド外用薬の塗り方
  • 回ステロイド外用薬を塗る回数数・タイミング

などのポイントです。

この記事では、これらのポイントのうち、「塗る回数とタイミング」についてお話したいと思います。

しっかりとステロイド外用薬の効果を得て、副作用のリスクを抑えるためにも、きちんと理解して実践したいポイントと言えます。

この記事を読むと次のことが分かります
  • ステロイド外用薬を塗る回数は1日何回が正しいのか
  • ステロイドを塗るタイミングはいつがベストか
  • 塗る回数を減らしていくときの考え方
  • 塗る量・塗り方・強さについての関連記事

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1. ステロイド外用薬を塗る回数

ステロイド外用薬を塗る回数は、

  • アトピー性皮膚炎の症状の度合い(重症度)
  • 使用するステロイド外用薬の強さ(ランク・クラス)

によって変わってきます。

「変わってきます」と言っても、「1日2回」なのか「1日1回」なのかの違いでしかありませんが。

では、1日2回塗るべき場合と1回で良い場合では、何がどのように違うのでしょうか。

1-1. 「1日2回」塗るのが原則

皮膚炎があり痒みが残っている状態では、

ステロイド外用薬は1日2回塗る

のが原則です。

朝・夕のタイミングで1日2回ステロイドを炎症部分に塗る、ということです(タイミングと注意点については後述します)。

ただ、1日1回では効果が得られないかと言うわけではなく、「ある程度の効果」は得られるとされています。

この点について、日本皮膚科学会のガイドラインでは、

臨床上の実感では急性期には1日2回外用が勧められるが、1日1回でも効果は期待出来ると考えられる。

1日1回の外用よりも2回の外用の方が皮疹の改善が早いことは臨床上の実感であるが、いくつかのランダム化比較試験(RCT)では、調査期間の2~4 週間に限れば、ステロイド外用の1日1回塗布と2回塗布による効果の差や副作用出現の差はないと報告されている。

引用元:『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』p23
日本皮膚科学会

のように記載されています。

 

アトピー治療の基本は、

まずは、皮膚炎を出来る限り早く鎮める

ということですから、より効果が期待できるであろう「1日2回の塗布」を原則として考えるのが合理的です。

 

そして、1日2回ステロイドを塗って皮膚炎をコントロールしたら、1日1回の塗布に頻度を減らしていきます。

1-2. 皮膚炎が軽くなったら、塗る頻度を1日1回に減らしていく

アトピー性皮膚炎の状態が改善してきたら、ステロイドを塗る回数を1日1回に減らします。

「皮膚炎の症状の度合いが軽くなったのだから、皮膚に供給するステロイドの量も減らしてOK」

ということですから、ある意味当たり前のことです。

 

また、アトピー治療の専門書では

ストロングクラス以上のステロイド外用薬では、3週間以降の治療効果については1日2回塗布と1回塗布の間に有意差がないことから、軽快後は1日1回外用させることが推奨されている。

引用元:『ステロイド外用薬パーフェクトブック』p183
塩原哲夫 編

のように、

ストロング(Ⅲ群)以上の強さのストロング外用薬については、3週目以降は1日2回塗っても1回塗っても効果は変わらない

とされています。

このことからも、「ある程度」皮膚炎が落ち着いてきたら、1日2回から1日1回に塗る回数を減らしていくのが良いと言えます。

「ある程度とはどの程度か?」については、皮膚科医に判断してもらわないと危険です。この点については後述します。

一方、マイルドクラス(Ⅳ群)やウィーククラス(Ⅴ群)のステロイド外用薬では、1日1回よりも1日2回塗った方が有効であるとされています(参照元:同上)。

ですから、腕・脚や体幹部にマイルドクラスのステロイド外用薬を塗っている場合には、軽快後にも1日2回塗ることが医師から指示されることも考えられます。

逆に、例えばマイルドクラスのステロイドを顔面に使用する場合などには、副作用の発生リスクを低めるために、皮膚炎の軽快後に1日1回に塗る回数を減らしていく判断も考えられます(※ 顔面は皮膚が薄く副作用の発現リスクが高いため)。

 

このように、1日2回ステロイドを塗って皮膚炎を抑えた後は1日1回に塗布回数を減らしていくことが基本とはなりますが、

  • 皮膚炎の状況
  • ステロイドを塗る皮膚の部位
  • 使用するステロイド外用薬の強さ

などを総合的に考慮した上で、塗布回数を判断することが必要になります。

そして、このような判断を冷静かつ的確に行えるのは皮膚科の専門医だけです。

ですから、ステロイドを塗る回数については、最終的にはかかりつけの皮膚科医の指示に従うということが一番安全であり、効果も高くなります。

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2. ステロイド外用薬を塗るタイミング

次は、ステロイド外用薬をいつ塗るか?という「タイミング」についてです。

ステロイド外用薬を塗るタイミングは、

  • 1日2回塗る場合
    → 朝、夕(入浴後)
  • 1日1回塗る場合
    → 夕(入浴後)

というのが原則です。

ガイドラインや多くの専門書でこのような指示がなされてます。

ただ、2点ほど補足(注意点)があります。

2-1. 朝もシャワーを浴びてからステロイドを塗る

ガイドラインなどでは、朝にステロイド外用薬を塗る前に入浴をすることは前提にはなっていないと思われます。

しかし、

朝にステロイド外用薬を塗る前にも、シャワーで身体を軽く洗い清潔にしておく

という一手間加えることで、アトピー治療はもっと効果的になると私は考えます。

その理由(根拠)は以下のようなものです。

  • 夜、寝ている間にも汗やホコリなどで皮膚は汚れてしまう。
  • 寝ている間に掻いてしまった場合、皮膚片・フケ・滲出液などが皮膚についてしまっている。
  • 寝る前に塗ったステロイド外用薬・保湿剤は古くなり酸化されている。

ステロイド外用薬を塗る際には、肌は出来るだけ清潔にしておくことが大切です。

そう考えると、「朝、ステロイドを塗る前に軽くシャワーで身体を洗い流す」ということは、やった方が良いと言えます。

また、シャワー後には保湿をしないと乾燥が酷くなりますから、嫌でも保湿をしっかりと行うことになります。

すると、結果的に保湿(スキンケア)もより徹底されて、アトピー治療がもっと効果的になることも期待できます。

さらに言えば、私個人の体験ベースではありますが、

朝シャワーを浴びる習慣を付けてからの方が、皮膚炎の改善スピードが上がった

という実感を持っています。

 

忙しい朝にシャワーを浴びるのは少しだけ面倒かもしれませんが、是非取り入れて頂きたいポイントです。

2-2. 入浴後とは「入浴後3分以内」ということ

「入浴後にステロイド外用薬を塗る」というのは、

入浴してからであれば、いつでもOK

ということではありません。

お風呂から上がった瞬間から、アトピー肌からは水分が急激に失われていきます。

そのため、肌が乾燥してしまう前に、ステロイド外用薬と保湿剤を塗る必要があります。

具体的には、「入浴後3分以内」が一つの目安と言われています。

具体的には

  1. 柔らかい清潔なタオルで優しく拭く。
    ← 20秒経過
  2. 湿疹部にステロイド外用薬を塗る。
    ← 1分~2分経過
  3. 保湿剤をたっぷりと全身に塗る。
    ← 2分~3分経過

という手順・時間感覚で行っていきます。

かなりスピーディーにやる必要がありますが、慣れてくれば結構余裕ですので心配は要りません。

また、小さなお子さんの場合は、ご家族の協力が得られる場合には、複数人でやってあげた方が確実です。

3. まとめ

最後に、ステロイド外用薬を塗る回数とタイミングについて、簡潔にまとめてみます。

  • 皮膚炎が酷い・痒みがある場合には、ステロイド外用薬は1日2回塗る。
  • 皮膚炎が軽くなったら、1日1回に塗る回数を減らす。
  • その際には、自分の判断で減らさずに、必ず医師の指導を受ける。
  • 朝にステロイド外用薬を塗る場合には、シャワーを浴びて身体を清潔にしておく。
  • 入浴後・シャワー後、3分以内にステロイド外用薬の塗布・保湿を完了させる。

 

以前の私には、なぜか「ステロイドは1日1回塗るもの」という先入観がありました。

また、皮膚科の先生も塗る回数について指示してくれなかったため、1日1回ステロイドを塗っていた時期が長かったです。

その期間は、皮膚炎の治る度合・スピードが鈍かったように思えます。

そして、塗る回数について疑問に思って医師に相談した結果、1日2回の塗布回数に変更した時期から、皮膚炎の治りは早くなったのを実感しました。

このような経験・実感から

ステロイド外用薬を塗る回数は、かなり皮膚炎の治りに影響する

と個人的には考えます。

 

皮膚炎がなかなか治らない、治ったと思ってもすぐに悪化するといった場合には、ステロイド外用薬を塗る回数が原因かもしれません。

逆に、1日2回塗る必要がないのに2回塗っているケースもあると思います。

一度、ステロイド外用薬を塗る回数について、かかりつけ医に相談してみることをおすすめします。


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 Category: ステロイド塗り薬の正しい使い方