【要注意】ステロイドは皮膚の部位によって吸収率と影響が違う

 投稿日    最終更新日 2017/07/15

男性の体の正面・背面のイラスト

皮膚科でステロイド外用薬を処方してもらうとき、顔用と身体用に分かれていることがあります。

その場合、顔用のステロイド塗り薬の方が弱く、身体用の方が強いはずです。

なぜ、このように顔と身体とでステロイドの強さが違うのかといえば、身体の部分によってステロイドの吸収率が異なり、ステロイドの効き方や副作用の出やすさが違うからです。

ですから、ステロイドを安心して使うためには、皮膚の部位ごとに、ステロイド吸収率が高いのか?低いのか?を分かっておくことが大切だと思います。

そこでこの記事では、皮膚の部位ごとのステロイド吸収率の違いについて、イラストを使いながらまとめてみたいと思います。

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皮膚の部位ごとのステロイド吸収率一覧(イラスト)

下の図は、身体の部位ごとのステロイド吸収率を表したものです。

皮膚の部位ごとのステロイド外用薬の吸収率の差

皮膚の部位ごとのステロイド吸収率は、前腕(肘より先の部分)の内側の吸収率を基準(1.0)として、「その何倍に当たるか?」で表されます。

例えば、頬(ほっぺた)の吸収率は13.0ですから、前腕内側に比べて13倍ほど吸収率が高いことが分かります。

また、足の裏の吸収率は0.14ですから、前腕内側に比べて1/7ほどしかステロイド成分が吸収されない、ということが言えます。

上図は、以下の文献を参照して作成しました。
『アトピー性皮膚炎治療のためのステロイド外用薬パーフェクトブック』p22

ステロイド吸収率が異なるのはなぜ?

ところで、皮膚の部位ごとにステロイド成分の吸収率が違うのはどうしてでしょうか?

それは、皮膚の厚さが部位ごとに大きく異なるからです。

例えば、顔の皮膚は腕の皮膚よりもだいぶ薄いですし、逆に足首や手の甲などは腕の皮膚よりもかなり分厚いです。

皮膚の薄い部分では、その分だけ成分が皮膚を通り抜けやすくなりますから、吸収率が高くなります(逆もまたしかり)。

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ステロイドの吸収率によって、使うステロイドの強さは変わる

たとえば、顔や首などステロイド吸収率の高い部分の皮膚では、ステロイドは効きやすい一方、副作用も現れやすくなります。

ですから、ステロイド外用薬は弱めのものを使うのが通常です。弱いステロイドでも十分に炎症はしずまりますし、強いステロイドでは副作用リスクが不必要に高まってしまうからです。

逆に、皮膚が分厚くステロイド吸収率が低い部位、例えば手首・足首などには、皮膚炎を鎮めるのに十分な強さのステロイドを塗らないと、なかなか皮膚炎が治りません。

副作用を怖がって弱めのステロイドを使ってしまうと、逆に副作用のリスクは大きくなります。

皮膚炎がきちんと治りきらずに、ダラダラと塗り続けることになり、ステロイドの使用期間が長くなってしまうからです。

このように、どこの皮膚に塗るか?によって、きちんとステロイド外用薬の強さを使い分けることは、安全のためにとても大切なことです。

皮膚の部位ごとに合ったステロイド外用薬の強さの目安

次に、ある部分の皮膚には、どれくらいの強さのステロイドを塗ればよいのか?その目安についてお話します。

ここまでの話の流れの通り、

  • 皮膚の薄く吸収率の高い部位には、相対的に弱いステロイド外用薬を使う
  • 皮膚が厚く吸収率の低い部位には、相対的に強いステロイド外用薬を使う

という使い分け方が原則です。

具体的には、大人のアトピーの場合、

  • 顔面や首、陰部など
    → マイルド(ミディアム)クラス以下の強さを優先して選択
  • それ以外の部分
    → ベリーストロング又はストロングクラスを優先して選択
  • 手首や足首などの皮膚炎で、ベリーストロングクラスでも十分に炎症が沈静化しない場合
    → ストロンゲストクラスを短期間使用

のように、皮膚の部位によってステロイド外用薬の強さは使い分けられます。

ただ実際には、皮膚炎の重症度、患者の年齢や妊娠の有無などの条件も含めて、医師が総合的に判断し、使うステロイド外用薬の強さは決められます。

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まとめ

最後に、ここまでのお話をまとめますと、

  • 皮膚の厚さは身体の部分によって大きく違う
  • 皮膚の薄い部位のステロイド吸収率は高く、厚い部位の吸収率は低い
  • 吸収率が高いということは、ステロイドが効きやすい/副作用が出やすいということ
  • 皮膚の厚さ(吸収率の高低)に応じて、適切な強さのステロイド外用薬を選ぶ

となります。

ここまでお読み頂ければ、

no name
顔用のステロイドが無くなったけど皮膚科に行くのはメンドクサイから、体用のやつを塗っておこう

とか

no name
皮膚科でもらうステロイドは強すぎるから怖い。あんまり効かないけど、市販の弱めのステロイドを塗ろう。

といった、結構ありがち(?)な考えは、実はかなり危険であることが分かると思います。

1つ目は副作用の発生リスクを高めますし、2つ目はアトピーの皮膚炎の慢性化・重症化に繋がってしまうからです。

ステロイド外用薬をできるだけ安全に使うためには、処方されたステロイド外用薬の強さを確認して、使う部位をきちんと守ることが大切です。

お使いのステロイド外用薬の強さは、↓の記事の一覧表で確認できますので、是非ご活用ください。

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 Category: ステロイドの正しい知識