アトピーに効く温泉は酸性?アルカリ性?メリットとデメリット
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温泉療法でアトピーを治したい場合、「どの温泉に入るのか?」という温泉選びがとても大切なポイントになります。
また、温泉療法ではなくて温泉旅行で温泉に入る場合でも、アトピー肌を守るために温泉の泉質には注意が必要です。
温泉のpHや泉質によってアトピー性皮膚炎への影響・効果効能が違うため、場合によっては、逆にアトピーの悪化に繋がってしまうことがあるからです。
温泉にはいろいろな種類がありますが、大きく分ければ
- お湯が酸性の温泉
- お湯がアルカリ性の温泉
の2つに分類できます。
アトピーに効く温泉を探す際には、まずは「酸性とアルカリ性のどちらが良いか?」というポイントを抑えておけば、温泉が探しやすくなるはずです。
そこで、この記事では、
酸性の温泉とアルカリ性の温泉、どちらがアトピーに効果的なのか?
というテーマについてお話したいと思います。
1. 酸性の温泉のメリット・デメリット
酸性の温泉、特に強酸性の温泉の大きな特徴は、
- 強い殺菌力があること
- 刺激が強いこと
の2点です。
アトピー性皮膚炎にとっては、皮膚の殺菌効果がメリットに、強い刺激がデメリットとなります。
殺菌効果も刺激感も、温泉のお湯が酸性であることがその理由です。
まずは、アトピーにとってのメリットについてまとめてみます。
1-1. アトピーを悪化させる黄色ブドウ球菌が殺菌される
あまり想像したくはありませんが、どんな人の皮膚にも細菌がびっしりと住み着いているそうです。
ただ、アトピー肌の皮膚と健康な皮膚とでは、住み着いている細菌の種類が違います。
健康な皮膚は弱酸性に保たれていて、弱酸性を好む色々な種類の「常在菌」が居座っています。
一方、アトピー性皮膚炎の皮膚はアルカリ性に傾きがちで、常在菌ではなくて、黄色ブドウ球菌などの「悪玉細菌」が増殖していると言われています。
皮膚で黄色ブドウ球菌が増えると、アトピーにとってはかなり良くありません。
黄色ブドウ球菌の出す毒素(スーパー抗原)が、皮膚の炎症を引き起こし、アトピーを悪化させてしまうからです。
そして、アトピーが悪化すると、皮膚はさらに黄色ブドウ球菌が住みやすい環境になってその悪影響も強くなり、さらなるアトピー悪化に繋がります。
このように、黄色ブドウ球菌が一旦増えると、アトピー悪化の悪循環に陥ってしまうのです。
こうなると、「ステロイド外用薬を塗っているのに湿疹が治らない!」という辛い状況になってしまうケースもあり、アトピーが慢性化してしまう1つの原因と言われています。
さて、酸性の温泉につかると、
- 酸性のお湯によって皮膚が殺菌される
↓ - 入浴後の皮膚が弱酸性になって、常在菌が増える
↓ - 黄色ブドウ球菌が繁殖しづらくなる
という流れで、
黄色ブドウ球菌を皮膚から追い出し、さらに皮膚を彼らの住みづらい環境にしてくれる
という効果が得られます。
細菌は強酸性の環境下では生息できずに死んでしまうため、酸性の強い温泉につかると、常在菌も黄色ブドウ球菌などの悪い細菌も殺菌され、両方ともその数が激減します。
そして、酸性の温泉につかった後は、アルカリ性に傾いていたアトピー肌が弱酸性に戻るので、弱酸性を好む常在菌が皮膚で増えます。
一方、アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌は増えることが出来ません。
いったん常在菌の数が増えて皮膚で優勢となれば、その後、黄色ブドウ球菌などの悪い細菌が皮膚にやってきても、常在菌によって邪魔されるため、繁殖しにくくなります。
このような流れで、酸性の温泉につかると、皮膚の黄色ブドウ球菌が抑制されるわけです。
アトピーの原因は黄色ブドウ球菌だけではありませんから、これだけでアトピーが完治する!ということはおそらく無いと思います。
でも、黄色ブドウ球菌でアトピーが悪化している場合には、酸性の温泉につかることで、少なくとも悪化原因が1つ無くなりますから、確実にアトピーの症状改善に繋がるはずです。
このような皮膚殺菌効果が、酸性の温泉のメリットです。
1-2. 強い刺激でアトピーが悪化するリスクもある
酸性の温泉の刺激感はとても強く、アトピーが酷い状態ですと、お湯につかるだけでもかなり辛いはずです。
湿疹や掻き壊し、びらん面の部分の皮膚はそのバリア機能が失われていますから、温泉のお湯の刺激をもろに受けてしまうからです。
このような強い刺激は、アトピー性皮膚炎の悪化に繋がる危険性が大きいです。
とてもシンプルですが、この点が酸性の温泉のデメリットとなります。
2. アルカリ性の温泉のメリット・デメリット
アルカリ性の温泉は、「美肌のお湯」とか「美人の湯」とか呼ばれることがあります。
温泉につかるだけで、肌がツルツルになるからです。
これは、アルカリ性のお湯によって皮膚の角質が溶け出し、取り除かれるためです。
アトピー性皮膚炎にとっては、このアルカリ性の温泉の特徴は、デメリットの方が大きいと言われています。
アトピーの場合、不要な角質だけではなく、皮膚の保湿のための皮脂やセラミドまで失われてしまい、皮膚がさらに乾燥しやすくなってしまうからです。
アトピーが綺麗に治った状態で、温泉旅行で1日2日つかる程度ではあまり問題は無いとは思いますが、毎日継続的に・頻繁に入浴してしまえば、乾燥が進んでアトピーは悪化してしまいます。
3. アトピーに効くのは酸性とアルカリ性のどちらか?
以上のように、
- 酸性の温泉
→ 刺激は強いが、皮膚殺菌効果がアトピーに効果的 - アルカリ性の温泉
→ 一般的には美肌効果があるが、アトピーの場合は良くない
とまとめることが出来ます。
つまり、アトピー肌のことを考えますと、酸性の温泉の方が効果的だということです。
4. まとめ:安全に温泉療法を行うための注意点
アトピーを温泉療法で改善しようとする場合には、酸性の温泉を中心に温泉探しをされるとよいと思います。
例えば、草津温泉のお湯は強酸性ですから、皮膚殺菌効果はかなり強いです。
ただ、皮膚炎がかなり残っている段階で強酸性の温泉で治療を行うと、刺激によってアトピーがかえって悪化するリスクが大きいです。
温泉療法は、皮膚炎をある程度コントロールできるようになってから取り入れるのが安全だと考えます。
具体的にどこの温泉がアトピーに効果的なのか?という点については、リサーチや自らの体験の結果を今後の記事でご紹介できればと考えています。
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