ステロイド外用薬の正しい使い方・正しいやめ方

ステロイド外用薬の正しい使い方

アトピー性皮膚炎の治療では、ステロイド外用薬を使って皮膚炎を鎮めてあげることが欠かせません。

根本的にアトピーを治すためには、食生活の見直し・腸内環境の改善など、アトピー体質の改善やアトピー悪化原因の特定除去のための対策をしないといけませんが、

これらの対策をきちんと行うためには、ステロイド外用薬を使って皮膚炎をいったん落ち着かせてあげることが必要だからです。

なぜ皮膚炎をいったん鎮めることが必要か?という点については、以下のような例え話が分かりやすいかもしれません。

アトピー治療に関して、「皮膚炎=火事、ステロイド外用薬=水」のように例えられることが多いですが、ここでもこの例えを使います。

ステロイド外用薬を使わずに、体質改善やアトピー悪化原因を取り除くための対策を行うことは、

燃え盛る家の中に入って、その中で「火事の原因は何かな?」と調べ続ける

というような無謀な行為です。文字通り、火事の中に身を置くような辛さ(痒み・痛み)を伴います。

火事の原因(アトピーの原因)を調べるのは、火事をきちんと消し止めてからです。

鎮火のためにはステロイド外用薬という放水車を使う以外にありません。

 

そして、その放水車は、使い方が悪いときちんと消火できないこともあるし、家にダメージを与える危険性もある、少し注意が必要なモノなのです。

例え話から戻りますが、

ステロイド外用薬は正しく使わないと「皮膚炎がなかなか治らない…」という事態になり得ますし、使い方が不適切だったり長期連用になると、皮膚に副作用が現れるリスクが高まります。

 

アトピーの皮膚炎をいったん鎮めることは、アトピー治療のスタート地点のようなものだと私は考えます。

そのためには、ステロイド外用薬の使い方をきちんと知って、しっかりとマスターすることがとても大切です。

そこでこのページでは、「ステロイド外用薬の正しい使い方とはどんなものか?」というテーマについてまとめてみたいと思います。


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1. ステロイド外用薬を使ったアトピー治療の方針はこんな感じ

アトピー性皮膚炎の治療は、以下のような流れ・方針で行っていくのがベストです。

  • ステロイド外用薬で皮膚炎を治す。
  • スキンケアを徹底する。
  • アトピーの悪化原因を突き止め、取り除く。

この3つのポイントを抑えたアトピー治療のことを「標準治療」と呼ぶことがありますが、私がおすすめする治療方針もコレです。

ただ、一番最後のポイント「アトピー悪化原因の特定・除去」のための指導をアトピー患者に行っている皮膚科医は、かなりの少数派です。

コレを行わないと、アトピー体質もアトピーの皮膚炎が出る原因も変わりませんから、皮膚炎が出続けることになり、ステロイド外用薬をずっと使い続けるハメになりかねません。

ステロイド外用薬の使用期間が長くなれば長くなるほど、ステロイド外用薬の副作用のリスクは高まっていきます。

ステロイド外用薬の副作用を回避するためには、副作用の心配の要らないような期間で、ステロイド外用薬の使用をやめられるようになることが必要となります。

 

つまり、簡単に言えば、

  • ステロイド外用薬の副作用が出る前に、ステロイド外用薬をやめる。
    ← 「ゴール」としての脱ステロイド
  • そのために、皮膚炎を出にくくするための対策をきちんと行う。
    ← アトピー体質の改善・アトピー悪化原因の除去

というふうになります。

ステロイド外用薬を不必要に怖がり、無謀な脱ステロイドを行うのもNGですし、ステロイド外用薬を漫然と使い続けるのもNGです。

冒頭でもお話しましたが、

ステロイド外用薬をうまく活用して皮膚炎をいったん抑えることは、アトピー体質の改善・悪化原因の取り除き作業を行うために欠かせないポイントです。

ステロイド外用薬でしっかりと皮膚炎を治すためには、ステロイド外用薬の正しい使い方をマスターすることが必要となります。

2. ステロイド外用薬の使い方の3原則

さて、ステロイド外用薬の正しい使い方について、具体的に見ていきます。

ステロイド外用薬を使う際には、優先して注意すべき重要なポイントが3つあります。

それは、

  • 皮膚炎を治すのに十分な量を塗ること
  • ステロイドの強さを間違えないこと
  • 塗るのを止めるのが早すぎないこと

の3点です。順番に見ていきましょう。

2-1. たっぷりと塗る

アトピー患者の多くが、ステロイド外用薬を塗る量が少なすぎると指摘されています。

ステロイドに対する恐怖心から、「出来るだけ少ない量を塗っておこう」というように、チョビチョビと塗ってしまっているのです。

冒頭の火事の例え話でいえば、チョビチョビとステロイドを塗るのは、

燃え盛る火事に、バケツの水を一生懸命かけている

のと同じで、火事(皮膚炎)は一向に鎮火されません。

ステロイド外用薬は、皮膚炎を治すのに十分な量をたっぷりと塗ることが大切になります。

具体的にどれくらいの量を塗ればよいか?という点については、↓の記事で写真付きで解説していますので、ご覧ください。

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2-2. ステロイドの強さを間違えない

次のポイントは、ステロイド外用薬の強さを間違えないというポイントです。

ステロイド外用薬には、全部で5つの強さがありまして、皮膚炎の症状の度合・塗る部位・年齢によってその強さを使い分けていきます。

強さが弱すぎれば皮膚炎はきちんと治りませんし、強さが強すぎれば副作用のリスクが高まってしまうことになります。

使うべきステロイド外用薬の強さは、アトピー治療に精通した皮膚科医に判断してもらうのが一番安全でして、皮膚科医の指示通りに使い分ければOKです。

ただ、ステロイド外用薬の強さの使い分け方について、その方法や基準を知っておくと、もっと効果的・安全にステロイドを使うことが出来ます。

ステロイド外用薬の使い分け方については、↓の記事で詳しく取り上げていますので、ご参照ください。

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2-3. 塗るのをやめる時期に気を付ける

3つ目の原則は、塗るのを止めるのが早すぎないように気を付けるということです。

アトピー治療では、患者自身がステロイドを塗りますが、ステロイド外用薬をやめるのが早すぎるケースがとても多いそうです。

ステロイド外用薬をしばらく使うと、痒みはほぼ無くなりますし、見た目上も皮膚炎は綺麗になっています。

でも、その段階では皮膚の下には炎症がしっかりと残っているので、そこで塗るのをやめてしまうと、すぐに皮膚炎が再燃してしまいます。

こういう使い方をしてしまうと、アトピー性皮膚炎の慢性化につながり、ステロイド外用薬の副作用リスクを高めてしまいます。

皮膚炎が治ったように見えても、ステロイド外用薬は「しばらくの間」塗り続けて、皮膚の下の炎症細胞までしっかりと治すことが大切です。

「しばらくの間」ってどれくらい?という目安や判断の方法については、↓の記事で解説しています。

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このように、ステロイド外用薬を正しく使ってきちんと皮膚炎を鎮めるためには、

  • 十分な量をたっぷりと塗る。
  • ステロイドの強さを守る。
  • 皮膚炎が治ったように見えてもしばらくは塗る。

という3つのポイントを抑えることがとても重要になります。

3. 安全にステロイド外用薬を使うための注意点

さて、上記の3つのポイントを守ってステロイド外用薬を使えば、短期間のうちにアトピーの皮膚炎は軽減されますし、ツルツルスベスベの皮膚に戻るケースも多いと思います。

ステロイド外用薬を使う際には、この3つの原則以外にも、守るべき注意点がいくつかあります。

これらの注意点は、より安全にステロイド外用薬を使うためのものです。

  • 外用薬の伸ばし方・塗り方に気を付ける。
  • 塗るタイミングや回数に気を付ける。
  • 塗る前に皮膚を清潔にする。
  • 目のまわりやオムツの中には極力塗らない。
  • 定期的に皮膚科医に皮膚の状態を診てもらう。

というようなポイントです。

まず、ステロイドの軟膏・クリームを「薄く伸ばし、擦り込むように」塗るのはNGです。この方法では炎症部分にステロイドが行き届かず、皮膚炎が治りにくいからです。

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また、ステロイド外用薬を塗るタイミングは、入浴後・洗顔後の皮膚を清潔にした直後がベストで、アトピーが酷い段階では1日2回の外用が原則となります。

塗る箇所にも注意が必要です。

目の回りにステロイド外用薬を塗ると、緑内障の発症リスクが高まると言われていますから、基本的には塗らない方が安全です。

また、あかちゃんのオムツの中にステロイド外用薬を塗ると「密封塗布」になって、副作用の発現リスクが高まりますし、場合によってはステロイドの全身的な副作用のおそれも出てきてしまいますから、オムツの中には塗らない方が安全です。

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最後に、ステロイド外用薬を使っている時期には、定期的にかかりつけの皮膚科医に皮膚の状態を見せるようにします。

皮膚炎の状態によっては、ステロイド外用薬の強さの調整・塗布回数の調整が必要になりますし、ステロイド外用薬の副作用の兆候がないかどうかチェックしてもらわないといけないからです。

ステロイド外用薬を安全に使うためのコレらの注意点については、↓の記事で更に詳しく解説していますので、ご活用下さい。

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4. まとめ

以上のような原則・注意点を守れば、ステロイド外用薬の効果をしっかりと得られて、副作用のリスクは抑えられます。

ステロイド外用薬の使い方について不明点や心配がある場合には、皮膚科医の先生に質問して、疑問点を解消しておくことが大切です。

そして、皮膚科医の言うとおりの用法用量でステロイド外用薬を使うことが大原則です。

ただ、ここでお話したような情報を知っておくと、皮膚科医の指導に疑問を感じた場合に、質問・相談をすることが出来ますから、より安全にアトピー治療が行えるようになります。

 

ステロイド外用薬の間違った使い方でありがちなのは、

量が少なすぎる・やめるのが早過ぎる

というモノです。

たっぷりの量を、結構長く」使うのが、正しいです。

塗る量や期間については、当サイトをご参考にされながら皮膚科医に相談して、具体的な量・期間の目安を把握しておくことをおすすめします。


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