【無料】公的なアトピー治療ガイドラインで正しい知識を得よう

 投稿日    最終更新日 2016/03/28

アトピー性皮膚炎治療ガイドライン
アトピー性皮膚炎の治療をきちんと行って、改善していくためには、

アトピー性皮膚炎についての正しい知識

を得ることが大切です。

 

ただ、ご自分でアトピー性皮膚炎について勉強・情報収集する際には、

情報元の信頼性

について注意をしなければなりません。

誤った治療法・偏った理論・間違った知識は、アトピー性皮膚炎の治療を妨げるばかりか、症状の悪化・重症化を招くからです。

 

そういう意味では、

公的なアトピー性皮膚炎治療についてのガイドライン

が信頼性が最も高く、アトピー性皮膚炎治療の情報収集する際にまず初めに読んでおきたいものといえます。

 

この記事では、無料で入手できるアトピー性皮膚炎治療に関する公的なガイドラインである

日本皮膚科学会『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』

をご紹介し、文章が難しく感じる場合でも「最低限読んでおくべき部分」についてお話したいと思います。


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1. 日本皮膚科学会『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』

日本の皮膚科医約1万人の会員で組織される「日本皮膚科学会」(公益社団法人)が、アトピー性皮膚炎の治療(診療)に関するガイドラインを公開しています。

『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』(日本皮膚科学会HP)

ガイドラインは、医師向けに書かれたものであるため、私たち一般人には少し(かなり?)読みにくく感じると思います。

ただ、「治療を受ける立場」から読むべき部分は限られています。

これから、『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』について、その概要と読み方についてご説明します。

1-1. アトピー性皮膚炎診療ガイドラインは誰が書いたの?

『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』は、日本皮膚科学会という公益社団法人が作成・公開しています。

日本皮膚科学会は1900年の創設以降、皮膚病の研究・教育・診療システムの形成に取り組み続け、各種皮膚病の診断基準や診療ガイドラインを作成・公開し続けている機関です。

日本皮膚科学会が作成するガイドラインは、情報の信頼性という意味では最も高く、科学的根拠(エビデンス)のある説明がなされていると考えて問題ないと思います。

1-2. アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの構成

『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』は、第Ⅰ章第Ⅱ章に分かれています。

1-2-1. 第Ⅰ章に書かれている内容

第Ⅰ章は、以下のように、

  • Ⅰ. はじめに:ガイドライン作成・公開の目的と経緯
  • Ⅱ. 定義:アトピー性皮膚炎とはどのような疾患なのか
  • Ⅲ. 病態:どのような仕組みで起こるのか
  • Ⅳ. 経過と予後:どのような症状が出て、治療をするとどのように治っていくのか
  • Ⅴ. 診断:どのような基準で診断し、重症度を判断すればよいか
  • Ⅵ. 治療:どのように治療を行えばよいか

アトピー性皮膚炎の「定義」「病態」「経過と予後」「診断」「治療」のセクションに分かれています。

詳しくは後述しますが、私たちが読むべきパートは、上で太字になっている「Ⅵ. 治療」のパートです。

1-2-2. 第Ⅱ章に書かれている内容

第Ⅱ章は、「アトピー性皮膚炎のEBMs」についての情報が書かれています。

EBMとは、Evidence Based Medicine の略語であり、日本語に直せば「根拠に基づく医療」となります。

例えば、「この患者にタクロリムス軟膏を使うべきか?」というテーマ(疑問)に対して、推奨される結論とその根拠(エビデンス)・根拠の強さ(エビデンス・レベル)について書かれています。

私たち一般人とっては、「よくある質問(Q&A)」のイメージで読めますから、かなり役に立ちます。

詳しい内容と読むべき部分については後述します。

1-3. アトピー性皮膚炎診療ガイドラインで私たちが読むべき部分

第Ⅰ章と第Ⅱ章に分けて、私たち一般人が読むべき部分について取り上げて、その概要について説明したいと思います。

1-3-1. 第Ⅰ章で読むべき部分

私たち一般人が患者の立場に立ったとき、第Ⅰ章で読むべき部分は「Ⅵ. 治療」のパートです。

「Ⅵ. 治療」のパートには、以下の内容が書かれています。

  1. 治療の目的
  2. 治療方法
  3. 薬物療法
  4. 皮膚バリア機能の異常に対する外用療法・スキンケア
  5. 悪化因子の検索と対策
  6. 心身医学的側面
  7. 合併症
  8. その他の療法
  9. 入院治療の適応
  10. 教育
  11. アドヒアランス
  12. 治療の手順

太字で強調した部分が、特に読んでおきたいパートです。

特に、「3. 薬物療法」の部分では、

ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏をはじめとした各種お薬の使い方と注意点

について詳しく知ることが出来ます。

ステロイド外用薬の使い方・副作用についての正しい知識を得るために、必ず読んでおきたい部分です。

その他の部分も、余裕があれば目を通しておくとよいと思います。


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1-3-2. 第Ⅱ章で読むべき部分

第Ⅱ章では、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)の手法にのっとって、アトピー治療における主なテーマ(疑問)について、結論とその根拠が記載されています。

こう書いても、私たち一般人にとっては

は?意味不明なんですけど...

という感じですよね。

結論から言うと、第Ⅱ章の部分は、「アトピーに関するQ&A」として読むことが出来ます。

例えば、こんな感じです↓(同ガイドラインp146を元に作成)

  • アトピー性皮膚炎の治療に抗ヒスタミン薬は勧められるか?
  • 推奨文(結論):「抗ヒスタミン薬はアトピー性皮膚炎の痒みを軽減する可能性があり,抗炎症外用薬と保湿外用薬による治療の補助療法として勧められる」
  • 推奨度:1,エビデンスレベル:B
  • この結論に至った経緯についての解説文

日本皮膚科学会『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016版』

「推奨度:1」というのは「強い推奨(recommend)」を意味し、「推奨された治療によって得られる利益が大きく,かつ,治療によって生じうる負担を上回ると考えられる」場合のことです。

また、「エビデンスレベル:B」とは、「低い」を意味し、「結果を支持する研究があるが十分ではないため,今後研究が行われた場合に結果が大きく変化する可能性がある」場合のことです。

(※推奨度・エビデンスレベルについての説明は、ガイドライン上に記載されています。)

この例で言えば、

アトピー性皮膚炎の治療として抗ヒスタミン薬を投与することは、十分な研究に基づく根拠(エビデンス)があるわけではないが、痒みを抑えてアトピー性皮膚炎を改善する可能性はあり、服用による副作用(デメリット)と比較して効用(デメリット)の方が大きいので、薦められる。

ということになります。

 

このような事実(根拠のある見解)を知っておくと、病院や医師、薬に対する誤解や失望を防ぐことが出来ます。

 

例えば、皮膚科に行くと、

痒くて眠れないですか~。じゃあ抗ヒスタミン薬出しておきますね~。

的なノリで抗ヒスタミン薬を処方されることがあると思います。

というか、私は実際、地元のおじいちゃん皮膚科医にこんな感じで処方されました。

そして、指示されたとおりに飲んだのですが、

効かない!全然痒いし、意味ないじゃん。あの先生もお薬も、信用ならないな。

という感じで、医師や薬に対する失望と不信感を抱いてしまったのです。

 

このような医者や薬に対する無用な不信感は、結果的に適切な治療の妨げとなり、アトピーの悪化・重症化に繋がります(以前の私のように)。

ここで、ガイドラインの抗ヒスタミン薬に関する部分を読んでいれば、私の反応は違ったものになったはずです。

 

ガイドラインによれば、抗ヒスタミン薬の投薬による効果は、平易に書けば

効く可能性もあるし副作用も軽いから、あくまでもサブ的なものとして処方しておきましょうか。

くらいのレベルのものであることが分かります。

この事実を知っておけば、仮にお医者さんが抗ヒスタミン薬に関する説明をほとんどしてくれなかったとしても、

ああ、自分には有効でなかったんだな。もともときちんとした根拠のあるものでもないしな。

という風に納得することが出来ます。

 

本来は、抗ヒスタミン薬を処方する際に、お医者さんが

誰にでも効くわけじゃないし根拠は明確にあるわけじゃないけど、効く人も多いし副作用も少ないから、とりあえず出しとくね。

あくまでも補助的なものだから、ステロイド塗り薬と保湿剤はしっかり使ってね。効果が実感できなかたったら、言って下さい。

というふうに説明してくれれば、抗ヒスタミン薬に対する知識のない患者さんの場合でも、不要な不信感や失望は生まれないはずです。

また、このような説明を患者にすることが、EBMの実践例だと考えられます。

 

第Ⅱ章では、全部で21個のテーマについて、このようなQ&A形式の説明がされています。

どれも役に立つものですから、一通り読んでおくとよいと思います。

1-4. 難しそうでどうしても読む気がしない・・・という場合には

ここまで、日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』の概要と、その読むべき部分についてお話してきました。

読む部分が限られていれば、難しい文章でも「読もうかな」という気になるのではないか、と思ってこのようなお話をしたのですが、

それでも、

ちょっと読むのが面倒くさいというか、難しいというか・・・

という感じになる場合もあるかと思います。

その場合には、

  • 当サイトの記事コンテンツをお読みいただく
  • 他の一般向け「アトピー治療ガイドブック」を活用する

と良いと思います。

当サイト「キュアアト」は、基本的に『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』に沿ったアトピー治療の方法や情報を、自らの経験や失敗体験談を交えながら、発信しています。

ガイドラインよりも簡単に読めると思いますので、他の記事もお読み頂き、ご参考にしてください。

まずは、アトピー性皮膚炎の標準的治療法についての記事からお読み頂くと良いと思います↓

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マウスを合わせると記事の説明が表示されます。リンク先の記事は別タブで表示されますので、後で読むことが出来ます。 タイトルをタップすると記事の説明が表示され、もう一度タップするとリンクが開きます。別タブで表示されますので、後で読むことが出来ます。

また、公的なアトピー治療ガイドブックの中で、特におすすめのものはこちらの記事↓でご紹介しています。
イラストも多く読みやすい文章ですから、気軽に読めます。

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2. まとめ

日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』は、アトピー治療に関する「最も信頼性の高い」情報だといえます。

上でご紹介した部分をお読みになるだけでも、

アトピー性皮膚炎の治療に関する情報収集・勉強をする上で、「ベース(基盤)」になる知識

が得られると思います。

是非、ご覧になってください↓

『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』(日本皮膚科学会HP)

「難しいのは無理!」という場合には、当サイト「キュアアト」の記事コンテンツや、他の一般向けガイドブックを活用してください。


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