ステロイド外用薬のジェネリック医薬品の効果は先発薬と同じ?

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ステロイド外用薬のジェネリック医薬品

病院処方のお薬を薬局でもらうとき、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選択するとお薬代がかなり安く済みます。

ジェネリック医薬品は「有効成分や効果・安全性は先発薬と変わらない」とされていますから、

国も医療費を抑制するために、積極的にジェネリック医薬品を購入してもらうように国民に働きかけています。

さて、アトピー性皮膚炎の治療に使うステロイド外用薬についても、他の医薬品と同様にジェネリック医薬品があることがほとんどです。

 

お薬代は出来る限り安く済ませたいですから、ジェネリックのステロイド外用薬を使いたいと思いますよね。

ただ、

ステロイド外用薬のジェネリック医薬品の効果は、先発薬と同等でない可能性がある

という専門家の意見もあります。

この記事では、ステロイド外用薬のジェネリック製品の効果・安全性について検証してみたいと思います。

この記事を読むと次のことが分かります
  • そもそもジェネリック医薬品ってどういうものか?
  • ジェネリック医薬品の効果・安全性は本当に先発薬と同じか?
  • ステロイド外用薬のジェネリック医薬品の効果と安全性は?
  • より安全にアトピー治療を行うためのお薬の選び方

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1. ジェネリック医薬品とは

私も含めて、ジェネリック医薬品の定義をハッキリと把握している方は少ないと思います。

そこでまず、「ジェネリック医薬品とは?」について確認しておくことにします。

後発医薬品、ジェネリック医薬品とは、医薬品の有効成分そのものに対する特許である物質特許が切れた医薬品を他の製薬会社が製造・供給する医薬品である。新薬と同じ主成分の薬とも言われる。
引用元:Wikipedia『後発医薬品』

のように、Wikipediaでは定義されています。

もう少し分かりやすく説明すれば、

 

新薬(先発薬)の特許が切れてから他の会社から販売された、新薬と同等と認められた低価格なお薬

のようになります。

ポイントは、ジェネリック医薬品には「新薬と同等の有効性と安全性」が認められているという点です。

 

では、ジェネリック医薬品の成分は先発薬と全く同じなのでしょうか?

1-1. ジェネリック医薬品が先発薬と異なる点

ジェネリック医薬品の成分は、先発薬の成分と全く同一ということではありません。

ジェネリック医薬品と先発薬では、主成分(有効成分)や含量は同一ですが、

  • 添加物の種類と量
  • 色や味、大きさ、形など
  • 使い心地(飲みやすさ、塗りやすさ等)

などの点は異なります。

後発医薬品メーカーが、先発薬よりも患者さんにとって使いやすくするための工夫をすることは認めれている、ということです。

例えば、錠剤であれば、より飲みやすい形・大きさにしたり、苦味を軽減したり・・・といった工夫がされてることが多いです。

それでも、主成分(有効成分)は同一ですから、その効果は先発薬と同等であると考えられているわけです。


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2. ステロイド外用薬のジェネリックは先発薬と同一の効果がある?

では、ステロイド外用薬のジェネリック医薬品は、その効果や安全性は先発薬と同等なのでしょうか。

上でお話しましたとおり、ステロイド外用薬のジェネリック医薬品も、その有効成分や含量は先発薬と同一です。

一方、ステロイド外用薬の基剤(軟膏のベースとなる他の成分)については、ジェネリック医薬品と先発薬では異なることが多いです。

 

そして、この基剤の違いが、ステロイド外用薬の効果に違いを生んでいるとの意見があるのです。

2-1. ステロイド外用薬の基剤がその効果に影響を及ぼす理由

ステロイド外用薬の基剤の違いが、どうしてステロイド外用薬の効果に影響するのでしょうか。

ステロイド外用薬の効果は、主成分である合成副腎皮質ホルモンの基剤中の濃度の高い/低いによって、大きく異なると考えられています。

そして、同じ量の主成分を入れても、基剤の中にきちんと溶けていない場合(基剤中の濃度が低い場合)には、そのステロイド外用薬の効果は低くなってしまいます。

 

先発薬とジェネリック医薬品で基剤が異なる場合、その基剤中に溶解している主成分の濃度も異なります。

つまり、チューブに含まれる主成分の量(含量)が同一でも、その濃度(基剤の中に溶解している濃度)が異なるということです。

そして、基剤中の濃度が異なるということは、そのステロイド外用薬の効果も異なるということを意味します。

このように考えますと、ステロイド外用薬に関して言えば

ジェネリック医薬品と先発薬ではその効果は同一ではない(場合がある)

という結論になります。

 

なお、ジェネリック医薬品と先発薬で基剤が同一の場合には、基剤中の濃度の差は小さく、効果に違いは無いと考えられています。

専門書を参照する限り、基剤に溶けている主成分の濃度は、ジェネリック医薬品の方が先発薬よりも一般的に低いと思われます(効果はジェネリック医薬品の方が低いことを示唆)。

以上のステロイド外用薬のジェネリック医薬品の効果についての文章は、以下の文献を参照して作成しています。
『ステロイド外用薬パーフェクトブック』p25,26
塩原哲夫 編(南山堂)

3. より安全なアトピー治療のためのお薬選び

ジェネリック医薬品の効果についての以上のような意見を踏まえて、

アトピー性皮膚炎の治療をより安全に・着実に行うためのお薬の選び方について考えてみます。

 

アトピー性皮膚炎の治療手順の基本は

ステロイド外用薬をきちんと適切に使って、まずは皮膚炎を鎮める。

その上で、アトピー悪化原因を取り除き、皮膚炎を出にくくしていく。

ステロイド外用薬無しでも保湿だけで、健康な皮膚をキープできるようになる。

というものです。

この手順に従えば、ステロイド外用薬できちんと皮膚炎を鎮めることは、アトピー治療のスタート地点とも言える重要なものです。

そう考えると、ステロイド外用薬を使うのであれば、その効果をしっかりと得て、出来る限り早く肌を綺麗にする必要があります。

そして、「ステロイド外用薬の効果をしっかりと得る」という観点からは、

「効果が劣る」可能性があるジェネリック医薬品ではなく、先発薬を選択すべき

という判断が、理論上は良いのかもしれません。

ただ、ジェネリック医薬品の方が金銭的な負担は確実に減りますから、使っててみてその効果に問題がないのであれば、ジェネリック医薬品の方が合理的となります。

 

ここまでの話は、成人(自己負担率3割)の場合です。

小学生以下のお子さんの場合には、自治体からの医療費補助制度が使えて、医療費はほとんどかからないことが通常だと思います。

この場合、お薬代は先発薬でもジェネリック医薬品でもほとんど変わらないことになります(自己負担額上限があるため)。

ですから、お子さんのアトピー治療に使うステロイド外用薬は、特に拘りがなければ、先発薬を選択したほうが安全と言えそうです。

4. まとめ

以上のように、ステロイド外用薬の場合、ジェネリック医薬品と先発薬ではその効果が異なる可能性が高いです。

ですから、多少金銭的な負担が増えても、先発薬を貰うという選択が安全であるとも考えられます。

 

ただし、その効果の違いが問題になるのは、塗る量・塗り方・塗る回数などの他の条件が適切である場合です。

塗る量・塗り方・塗る回数・塗るタイミングについても、ステロイド外用薬の効果をしっかりと得るためにはとっても重要になりますから、ポイントを抑えておくと良いと思います。


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 Category: ステロイドの正しい知識