【アトピー】フルコートF軟膏の強さ・副作用・注意点まとめ

 投稿日    最終更新日 2016/12/16

フルコート軟膏の強さ・副作用

ドラッグストアでも買える市販のステロイド外用薬「フルコートF軟膏®」は、アトピー性皮膚炎の治療に使われています。

店頭に並んでいる、こんな感じのパッケージのステロイド外用薬です↓

フルコートF軟膏を塗れば確かに皮膚炎を治すことが出来ますが、皮膚科医に皮膚の状態を見せず、自分だけの判断で使い続けることは、実はかなりリスキーです

この記事では、フルコートF軟膏について

  • ステロイド外用薬としての強さはどれくらいか?
  • 子どもにも使えるか?
  • 注意すべき副作用は?
  • 塗る量はどれくらいか?
  • 使う期間はどれくらいか?
  • その他守るべき注意点

をまとめてみたいと思います。


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1. フルコートF軟膏の基本情報まとめ

まずは、フルコートF軟膏の成分ステロイドの強さなど、基本的な情報をまとめてみます。

1-1. 有効成分(主成分)はステロイドと抗生剤

フルコートF軟膏の主成分(有効成分)は、ステロイド(合成副腎皮質ホルモン)と抗生物質の2つです↓

  • フルオシノロンアセトニド
    ステロイド。皮膚の炎症を治す効果。
  • フラジオマイシン硫酸塩
    抗生物質。細菌増殖を抑制する効果。

ステロイド成分の「フルオシノロンアセトニド」が皮膚の炎症を抑え、湿疹や痒みを治してくれます。

もう1つの成分「フラジオマイシン硫酸塩」は、皮膚で黄色ブドウ球菌などの悪い細菌が増殖するのを防いでくれます。

アトピー性皮膚炎が発症した皮膚は細菌感染が起こりやすく、しかも、ステロイド外用薬には皮膚の免疫細胞を抑制する作用がありますから、アトピーの人は皮膚で細菌が繁殖しやすいと言われています。

黄色ブドウ球菌などの細菌や一部の真菌が皮膚で増えすぎると、細菌の出す毒素が皮膚で炎症を引き起こすので、アトピー悪化・慢性化に繋がってしまいます。

フルコートF軟膏にはステロイド成分と共に抗生剤が使われていますから、皮膚細菌感染による化膿・皮膚炎悪化を防ぐ効果があります

1-2. フルコートF軟膏の強さ

日本で手に入るステロイド外用薬の強さは、全部で5段階のランク・クラスに分類されています。

  • ストロンゲスト(1群)
  • ベリーストロング(2群)
  • ストロング(3群)
  • ミディアム・マイルド(4群)
  • ウィーク(5群)

の5つです。

フルコートF軟膏のステロイド成分「フルオシノロンアセトニド」は、この5つの強さランクのうちの3番目、3群のストロングに分類される強さです

医師の処方箋無しで買えるステロイド外用薬はストロング以下の強さの製品のみですから、ドラッグストアで買えるステロイド外用薬としては最も強いステロイド外用薬です。

ストロングというランクの名称からは、「とても強いクスリ」という印象を受けますが、成人のアトピー治療で使うステロイド外用薬としては決して強くはありません

この点についての詳しくは後述します。

1-3. 内容量・価格・ネットで買う方法

フルコートF軟膏は、5g入りのチューブで市販されています。

ドラッグストアでは、1,000円弱~1,500円程度の価格で売られていることが多いです。

また、処方箋無しで買えるため、ネット通販でも購入することが出来ます。ドラッグストアよりも安いことが多いようです↓

by カエレバ

 

ときどき部分的にアトピーの皮膚炎が出るけど、仕事が忙しすぎて皮膚科にも薬局にも行く時間がない…

という場合には、こういうネット通販は便利かもしれません。

2. フルコートF軟膏の副作用と使う際の注意点

フルコートF軟膏はドラッグストアで買えるため、結構手軽に使えるのが便利です。

でも、使い方が良くないと、ステロイドの副作用が現れたりアトピーの慢性化に繋がるリスクがあります。

まずは、フルコートF軟膏の副作用の中で注意すべきものについてまとめてみます

注意すべき副作用一覧

フルコートF軟膏などのストロングクラス(3群)のステロイド外用薬の副作用のうち、特に注意が必要なものは

  • ステロイド紅潮
    顔面に使い続けると顔が赤くなる症状。
  • 酒さ様皮膚炎
    長期間顔面に使った場合に起こる、赤み・痛みを伴う皮膚炎。
  • 皮膚細菌感染・毛包炎
    皮膚免疫が低下して悪い細菌が増殖しやすくなります。
  • 皮膚萎縮
    長期間使い続けると、皮膚が薄く・弱くなってしまいます。
  • 緑内障
    まぶたや眼の周りに使い続けると緑内障のリスクが高まります。

といった副作用です。

 

まず、ステロイド外用薬で現れることのある副作用は、皮膚や眼など局所的・部分的な症状のみでして、全身的な副作用(成長阻害)などはまず起こり得ません

ですから、フルコートF軟膏を普通に使う限り、子供に塗ったからといって、身長が止まったり骨が弱くなったりといった副作用は起こりません。

 

上で挙げた副作用のうち、特に気をつけたいものは、顔面に現れる副作用(ステロイド紅潮・酒さ様皮膚炎)です。

顔面の皮膚は薄いのでステロイド成分の吸収率が高く、強い効果が得られる一方、副作用のリスクも大きくなってしまうからです

通常、成人の顔のアトピーにはミディアムクラスのステロイド外用薬が使われますが、症状の度合によっては医師の判断でストロングクラスが選択されることもあります。

フルコートF軟膏はストロングクラスですから、ミディアムクラスのステロイド外用薬に比べて治りが早い一方で、副作用のリスクは大きくなってしまいます。

「1ヶ月に一度、顔に皮膚炎が出たときに限り2,3日塗る」くらいの使い方であれば、問題は起こらないと考えますが、安全のためには別のステロイド外用薬を使った方が良いです(詳しくは後述)

 

また、ステロイド外用薬の仕組みとして皮膚の免疫細胞を抑制する作用があるため、ステロイドを塗っていると黄色ブドウ球菌などの悪い細菌が皮膚で繁殖しやすくなります。

この点、フルコートF軟膏には抗生剤が含まれていますから、皮膚細菌感染を防ぐ一定の効果はあると思われます。

でも、皮膚細菌感染のリスクがゼロになることはないので、注意が必要なことには変わりありません

 

ステロイド外用薬は、皮膚の免疫細胞だけでなく、線維芽細胞という「皮膚の若返りのための細胞」も抑制してしまいます。

フルコートF軟膏のようなストロングクラスのステロイド外用薬でも、長期間にわたってダラダラと塗り続けた場合、線維芽細胞が育たなくなって皮膚細胞が「古い細胞」ばかりになってしまいます

そうなると、皮膚が薄く弱くなってしまう皮膚萎縮という状態になります。

 

最後に、まぶたや眼の周りにステロイド外用薬を塗り続けると、眼圧が上昇して緑内障の発症に繋がることが分かっています。

フルコートF軟膏に限らず、眼の周りにはステロイド外用薬は極力塗らないようにするのが安全です

塗る場合には、必ず皮膚科医の指導のもとに使って、使用期間が長くなってしまった場合には、定期的に眼科に行って眼の状態を診てもらうことが必要となります。

 

以上が、フルコートF軟膏で注意が必要な副作用となります。

次に、「こんな使い方は危ない!」というフルコートF軟膏の使い方について、例をあげてお話したいと思います。

2-1. 子供に使う場合は強すぎることも

子供、特に乳幼児は身体が小さいため、ステロイド外用薬の影響が大人に比べて強く出ます。

同じ強さのステロイド外用薬を使っても、子供の場合には、皮膚炎の治りが良い一方、副作用も現れやすいということです。

ですから、子供に使うステロイド外用薬の強さは、大人に使うステロイド外用薬よりも1ランク強さを落とすのが通常です

子供(小児)と一口に言っても、0歳~15歳まで幅が広く、身体の大きさも異なりますので、年齢と皮膚炎の重症度に応じて、ステロイド外用薬の強さの目安は以下のように整理されています。

軽症 中等症 重症・最重症
2歳未満 マイルド以下 マイルド以下 ストロング以下
2歳 ~ 12歳 マイルド以下 ストロング以下 ベリーストロング以下
13歳 ~15歳 マイルド以下 ベリーストロング以下 ベリーストロング以下

参照元:『アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2012』

 

上の表を見ると分かりますが、軽症・中等症の乳幼児に使うステロイド外用薬の強さはマイルド(ミディアム)以下が原則ですから、

ストロングクラスであるフルコートF軟膏では強すぎる危険があります。

 

強い炎症を伴う湿疹が全身の皮膚の10%以上にある場合、「重症」もしくは「最重症」であると医師に判断されますが、

そのような場合には皮膚科での治療が必須ですので、市販のフルコートF軟膏を使って自分で対処するのは避けるべきです。

 

2歳以上の子供で中等症以上の症状の場合、フルコートF軟膏の強さ(=ストロング)は間違っていませんが、

「お子さんのアトピー性皮膚炎の重症度がどれくらいか?」はアトピーの専門医に判断してもらうのが一番確実で、ご自分で症状のレベルを判断するのはかなり危険です。

2-2. 顔に使い続けてはいけない

上でもお話しましたが、顔の皮膚は他の部分に比べて薄く、ステロイドの副作用が現れやすいです。

そのため、顔に使うステロイド外用薬は、成人であってもマイルドクラス以下が優先されるのが原則です。

フルコートF軟膏はストロングクラスですから、顔に使い続けるには強すぎます

皮膚科では、顔に使うステロイド外用薬としてストロングクラスのものが処方されることもありますが、皮膚炎が落ち着いてきた段階で1ランク強さを落とし、マイルドクラスのものに切り替えるのが通常です。

ですから、例えば「フルコートF軟膏を1週間以上に渡って毎日塗り続ける」のような使い方は、副作用の発現リスクをかなり高めてしまいます。

 

顔のアトピーについては、皮膚科医でもかなり慎重にステロイド外用薬を処方しますし、定期的な診察で副作用の兆候が無いかどうかをチェックしています

市販薬だけで顔のアトピーに対処してもよいのは、かなり軽症のアトピーで、皮膚炎が起こる頻度がかなり少ない場合に限られます。

2-3. 大人の身体のアトピーには弱すぎるケースも

大人のアトピーでも、症状の度合いによってステロイド外用薬の強さが使い分けられています。

ステロイド外用薬の使い方の大原則は、

最初は皮膚炎を鎮めるのに十分強いクラスのステロイド外用薬を使い、その後、強さと塗る量を減らしていく

というものです。

大人の顔以外のアトピーの場合、最初に処方されるステロイド外用薬は「ベリーストロング(2番目に強い)」であることが多いです。

皮膚炎の状態を見て、医師が「ストロングクラスでは足りないな」と判断した場合、ベリーストロングクラスのステロイド外用薬が処方されるわけです。

 

大人のアトピーでは、ストロングクラスであるフルコートF軟膏では弱すぎて、皮膚炎がきちんと治りきらないケースが多いと考えられます。

強さが不十分なステロイド外用薬を使うと、皮膚炎が鎮まるまでの期間が長くなったり、きちんと炎症が治まらず慢性化したりして、かえってステロイドの副作用のリスクが高まってしまいます。

以前の私は皮膚科に行かず、フルコートF軟膏を使って皮膚炎に対処していましたが、まさにこのような状況に陥っていました。

「さすがにこのままじゃマズイな」と思って皮膚科に行ったところ、副作用の1つである皮膚細菌感染が起こっていて、皮膚炎がかなり治りづらくなっている状態でした。

 

このような事態を避けるためにも、軽症のアトピーだと思う場合であっても、「アトピーが辛い…」と思った段階で面倒でも皮膚科に行くことをオススメします

2-4. フルコートF軟膏でも問題ないケースとは

ここまで、フルコートF軟膏で自分でアトピーに対処するのはオススメしないケースについて取り上げてきましたが、

逆に、フルコートF軟膏を使っても問題ないと考えられるケースについて考えてみます。

例えば、

  • 大人のアトピーで、顔や首以外に部分的に軽い皮膚炎がある場合
    → フルコートF軟膏を塗ると2,3日で綺麗に治って、その後しばらく皮膚炎が出ないのであれば問題無いと思われます。
  • 皮膚炎が出るのが、極稀である場合
    → ステロイド外用薬の使用期間が短いため、副作用の心配はかなり小さいです。ただ、アトピー以外の皮膚炎を疑った方がよいかもしれません。
  • 普段は皮膚科医処方の外用薬を使っているが、臨時的にフルコートF軟膏を使う場合
    → 仕事などで皮膚科に行けないときなどは、一時的に市販薬でしのぐのは仕方有りません。

のようなケースでは、フルコートF軟膏を使っても問題は起こりづらいです。

 

でも、アトピーの場合、基本的には皮膚科に行って外用薬を貰うことをおすすめします。

この点について、フルコートF軟膏の添付文書にも↓のように記載されています。

1週間を超えて使用しないでください。

5~6日間使用しても改善しない、あるいは悪化した場合には、他の原因によるものか、セルフメディケーションの範囲を超えていることが考えられますので、使用を中止して医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

患部が使用する人の手のひら2~3枚分を超える広範囲の場合は、セルフメディケーションの範囲を超えていることも考えられますので、使用する前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

引用元:田辺三菱製薬 フルコートF軟膏添付文書

そもそもアトピー性皮膚炎とは「慢性的な皮疹」でして、1週間を超えてステロイドを塗る必要があるケースがほとんどです。

逆に、「1週間以上塗ってはいけない」と考えて塗るのをやめてしまうと、皮膚の炎症が治りきる前にステロイドを止めることになり、皮膚炎の再燃に繋がってしまいます

このように考えますと、本当に軽いアトピー以外は皮膚科に行くことが必要であることが分かると思います。


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3. まとめ

慢性化しているアトピー・明らかに軽症ではないアトピーに対しては、フルコートF軟膏を自分の判断で使うのではなく、皮膚科医にステロイド外用薬を処方してもらう方が安全ですし、皮膚炎も治りやすいです。

ただ、仕事や育児で忙しい場合など、定期的に皮膚科に行けない方にとっては、ドラッグストアで買えるフルコートF軟膏はかなり有り難いおクスリであることは確かです

その場合には、塗る量・塗り方・塗る頻度・塗るタイミングなど、ステロイド外用薬の使い方のポイントを間違えないことが大切です。

特に、市販のステロイド外用薬は割高ですから、塗る量が少なくなりがちです。

ステロイド外用薬の強さは適切でも、塗る量が足りないと皮膚炎はきちんと治りません。

十分な量をたっぷりと、塗った後にベタベタするくらいの量を塗るのがポイントです。

ステロイド外用薬の使い方については↓の記事でまとめていますので、ご活用下さい。

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 Category: ステロイド塗り薬の正しい使い方