アトピーの人が食べても良い油(脂質)の量は1日あたりどれくらい?

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脂っこいステーキ

アトピー改善について調べていると、「油は摂りすぎないように!」というアドバイスを目にすることがありますよね。

当サイトでも「油の量と種類には要注意」と書いているのですが、実際に油の摂り過ぎに気をつけようと考えたとき、どれくらいの量の油なら平気なの?という疑問がわくと思います。

そこで、アトピー改善や悪化防止のためには、1日あたりにどれくらいの油(脂質)の量なら摂ってもOKなのか、調べてみました。

毎日の食事メニューやおやつ選びの参考材料としてご覧ください。

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日本人が摂るべき脂質の量の目安はこれくらい

できるだけ油を控えるべきだとしても、「最低限、これくらいは摂らないとマズい」という脂質の量はあるはずです。

そこで、脂質の摂取量の目安について調べてみると、厚生労働省の文書に書かれていました。

脂質の摂取量は20~30%Eの範囲におさめた方がよい

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』という報告書を読むと、日本人が摂取すべき脂質の量がわかります。

具体的には、次のように表でまとめられています。

脂質の食事摂取基準
(脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):% エネルギー)

性別 男性 女性
年齢等 目安量 目標量
(中央値)
目安量 目標量
(中央値)
0~5ヶ月 50 50
6~11ヶ月 40 40
1~9歳 20~30(25) 20~30(25)
10~17歳 20~30(25) 20~30(25)
18~29歳 20~30(25) 20~30(25)
30~49歳 20~30(25) 20~30(25)
50~69歳 20~30(25) 20~30(25)
70歳以上 20~30(25) 20~30(25)

原文では1歳~9歳、10歳~17歳の年齢はさらに細かく区分されていますが、ここではまとめて表示しています。


『日本人の食事摂取基準(2015年版)> Ⅱ各論 > 脂質』 -厚生労働省

%エネルギー(%E)という単位は、1日に摂ったエネルギー(カロリー)のうち、脂質で摂った割合を意味します。

たとえば、ある人が1日の食事で2,000kcalをとったとして、このうち脂質でとったカロリーが500kcalならば、その脂質の量は25%E(= 500/2,000 × 100)となります。

さて、上の一覧表を見ますと、1歳未満の赤ちゃんをのぞき、男女問わず全ての年齢で1日の摂取カロリーの20~30%を脂質で摂るのがよいということが分かります。

引用しておいてこんなこと言うのもナンですが、表にする意味があまりないデータですね。

脂質の摂取不足や過剰摂取の悪影響は?

ヘルスケア
20~30%Eというふうに目標量が範囲で指定されているのは、脂質は摂り過ぎても摂らなさすぎても、健康に悪影響が出てくるからです。

具体的には、次のような悪影響が出てきてしまうと言われています(参照:『日本人の食事摂取基準2015年版』)。

  • 低脂質の食生活が長期間続くと…
    • 血中のHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減って血液の流れが悪くなるため、冠状動脈性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)のリスクが高まる。
    • ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性しようせいビタミンの吸収が悪くなる。
    • 低脂質の食事は低タンパク質なので、必然的にタンパク質の摂取量が減ってしまう。
    • エネルギー不足になる可能性が高まる。
    • 脂質は20%E以上摂取したほうが良い
  • 高脂質の食生活が長期間続くと…
    • LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増え、動脈硬化を原因とする脳梗塞・心筋梗塞や血栓症のリスクが高まる。
    • メタボリックシンドロームにつながる。
    • 糖尿病のリスクが大きくなる
    • 脂質は30%E以下に抑えたほうが良い

(20%と30%という数字の根拠は上で引用した報告書に書かれているのですが、長くなるので省略させてください。)

アトピー治療で目安となる脂質摂取量(g:グラム)

この目標範囲に従うと、毎日の総摂取カロリーの20%程度を脂質でとっていれば、健康に問題は起こりにくいはずです。

ということは、アトピー改善や予防のためには、この20%Eという量を目標にすれば良さそうです。

では、20%Eという脂質の量は、グラム単位(g)に直すとどれくらいの量なのでしょうか?

脂質1gのカロリーは9kcal(平均値)なので、20%Eにあたる脂質のカロリー(kcal)を9(kcal/g)で割ると求まります。↓

脂質の量
( g )
=1日の摂取エネルギー × 20%9 kcal/g

また、1日に摂取すべきとされるエネルギーは年齢や性別によって変わりますし、日常でどれくらい身体を動かすか(身体活動レベル)でも違ってきます。

ですから、摂るべき脂質の量も、年齢・性別・身体活動レベルによって変わります。

これらを考慮して、1日あたりに摂るべき脂質の量(g)を一覧表にしてみました。↓

表の見方

① 各年齢の上の行(薄緑色の背景)がカロリー(kcal)、下の行(薄赤色の背景)がグラム(g)となっています。

② 身体活動レベルは、Ⅰ(低い)・Ⅱ(普通)・Ⅲ(高い)の3つの区分に分けられています。↓

  • Ⅰ(低い)
    → 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合。仕事での歩行時間は1日あたり15分。
  • Ⅱ(普通)
    → 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合。仕事での歩行時間は1日あたり30分程度。
  • Ⅲ(高い)
    → 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合。仕事での歩行時間は1日あたり60分。

ご自分の日中の活動に近い区分を参照してください。

③ 1歳未満の乳児については省略しています。

性別 男性 女性
身体活動レベル
1~2歳 950 900
21.1g 20.0g
3~5歳 1,300 1,250
28.8g 27.7g
6~7歳 1,350 1,550 1,750 1,250 1,450 1,650
30.0g 34.4g 38.8g 27.7g 32.2g 36.6g
8~9歳 1,600 1,850 2,100 1,500 1,700 1,900
35.5g 41.1g 46.6g 33.3g 37.7g 42.2g
10~11歳 1,950 2,250 2,500 1,850 2,100 2,350
43.3g 50.0g 55.5g 41.1g 46.6g 52.2g
12~14歳 2,300 2,600 2,900 2,150 2,400 2,700
51.1g 57.7g 64.4g 47.7g 53.3g 60.0g
15~17歳 2,500 2,850 3,150 2,050 2,300 2,550
55.5g 63.3g 70.0g 45.5g 51.1g 56.6g
18~29歳 2,300 2,650 3,050 1,650 1,950 2,200
51.1g 58.8g 67.7g 36.6g 43.3g 48.8g
30~49歳 2,300 2,650 3,050 1,750 2,000 2,300
51.1g 58.8g 67.7g 38.8g 44.4g 51.1g
50~69歳 2,100 2,450 2,800 1,650 1,900 2,200
46.6g 54.4g 62.2g 36.6g 42.2g 48.8g
70歳以上 1,850 2,200 2,500 1,500 1,750 2,000
41.1g 48.8g 55.5g 33.3g 38.8g 44.4g

※1 1日あたりに摂取すべきエネルギー(カロリー)は、『日本人の食事摂取基準2015年版 > Ⅱ各論 > エネルギー』の「参考表 推定エネルギー必要量(kcal/日)」を参照しています。

※2 脂質量(g)への換算の際に小数点第2位以下は切り捨てています。

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ちょっと見づらいので、中学生・高校生・18~29歳・30~49歳の年齢を抜き出してみます(身体活動レベルは「普通」)。

また、25%Eや30%Eを脂質摂取量の目安にした場合の脂質の量(グラム)も載せてみました。

性別 男性 女性
%エネルギー 20%E 25%E 30%E 20%E 25%E 30%E
中学生 57.7g 72.2g 86.6g 53.3g 66.6g 80.0g
高校生 63.3g 79.1g 95.0g 51.1g 63.8g 76.6g
18~29歳 58.8g 73.6g 88.3g 43.3g 54.1g 65.0g
30~49歳 58.8g 73.6g 88.3g 44.4g 55.5g 66.6g

大まかに言えば、中高生や成人については、

  • 男性 → 1日に60~70g程度
  • 女性 → 1日に50~60g程度

を脂質摂取量の目安とすれば、「油の摂り過ぎではないし、必要量の脂質はキチンと摂れている」という状態になります。

ですから、アトピー改善のために油を控えよう!という場合には、この数字が目標の目安となります。

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まとめ

アトピー改善のために油(脂質)を控える際には、漠然と「油モノは食べない!」のようにガンバるのではなくて、ご自分の1日あたりの脂質摂取量の目安を頭に入れておくと我慢しやすいと思います。

たとえば、私は「30~49歳」「男性」「身体活動レベルは低い(Ⅰ)」なので、脂質の目安量は51.1gです。

お昼ごはんを外で食べるときにから揚げ定食(5個入り)を食べると、その時点で脂質量は40g程度。朝食と夕食を合わせると、ほぼ確実に1日の目安量をオーバーしてしまいます。

こんな感じでザックリと頭のなかで計算してみると、「唐揚げが食べたいけど焼き魚定食にしておくか。。」と考え直せるかもしれません(私の場合、しょっちゅう欲望に負けますが)。

あとは、油がアトピーを悪化させる仕組みを知っておくと、我慢しやすくなるかもしれません。

理由はいくつかありますが、「ω-3:ω-6脂肪酸のバランスが崩れ、アレルギーが起こりやすくなる」という仕組みの影響が強いのかな、と個人的には思います。↓

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