運動でアトピーが悪化する4つの理由と悪化を防ぐ対策まとめ

 投稿日    最終更新日 2017/05/12

ジョギング前にストレッチする男性

アトピー性皮膚炎の完治を目指すうえで、適度な運動を習慣化することはかなり重要なポイントです。

「運動がアトピー改善に繋がる」ということは結構知られていますから、アトピーを治すために一念発起して、ジョギングなどの運動を取り入れる方も多いと思います。

でも、アトピーの皮膚炎が残る段階で運動すると、

no name
運動するようになったら、かえってアトピーが悪化したんですけど!

という場合も多いはずです。

運動は確かにアトピー改善に繋がりますが、いくつかの注意点を守らないとアトピー悪化に繋がってしまいます

そこで、この記事では

  • 運動するとアトピーが悪化することがある理由
  • 運動によるアトピー悪化を防ぐための対策

についてまとめてみたいと思います。

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運動でアトピーが悪化することがある理由

アトピーが運動で悪化してしまう主な理由は、

  1. 血行促進による痒み
  2. 紫外線
  3. 疲れ過ぎ

の4つです。順番に見ていきましょう。

理由1. 汗がいろいろと悪さをするから

汗をかいた少女

おそらく、運動でアトピーが悪化してしまう一番大きな理由は「汗の悪影響」です。

運動をしてかいた汗が色々な悪さをするから、アトピーが悪化してしまうわけです。

具体的には、汗はアトピーに対して

  • 汗に含まれる老廃物が皮膚への刺激となる
  • アトピーの場合、汗をかくと蕁麻疹が出ることがある
  • 汗で皮膚のpHがアルカリ性寄りに傾き、黄色ブドウ球菌が繁殖する

のような悪影響を及ぼしてしまいます。

バリア機能の失われた皮膚には汗も刺激となる

アトピーの皮膚炎がある場合、皮膚に掻き傷・掻き壊し・びらん面があることが普通ですが、これらの部分はバリア機能がかなり低下しています。

そのため、健康な皮膚では問題とならない「汗」も皮膚への刺激となってしまい、これがアトピー悪化に繋がってしまうのです。

アトピーではない人でも、汗が目に入るとシミて目が赤くなりますが、アトピー肌の場合、このような現象が皮膚のアチラコチラで起こっているわけです。

このような汗の刺激によるアトピー悪化を防ぐためには、「皮膚炎がある程度コントロール出来るようになった段階から運動を始める」という対策を取るしかありません(詳しくは後述します)。

発汗をきっかけとしてコリン性蕁麻疹が起こる

運動で汗をかいた直後、または運動の最中に、小さな赤いポツポツが出たことはありませんか?

身に覚えがあるとしたら、それは「コリン性蕁麻疹」と呼ばれる湿疹かもしれません。

汗をかくと、汗の量を調整するためにアセチルコリンという神経伝達物質が皮膚内部で放出されますが、この物質に対して身体が過敏に反応してしまうと、蕁麻疹や痒みが出てしまいます。

そして、アトピー性皮膚炎の患者さんには、このコリン性蕁麻疹を発症する方の割合が多いと言われています。

私の場合、アトピーが酷かった時期に、「アトピーを治そう!」と一念発起してジョギングを始めたことがあったのですが、数十分のジョギングから帰ると謎の発疹が出ることがありました。

当時はそれが汗が原因の蕁麻疹だとは知りませんでしたが、コリン性蕁麻疹が出ていたのだと思います。

酷い時には蕁麻疹が全身に広がり、呼吸困難にもなったことさえありました。

運動で汗をかくと、アトピーではない湿疹・ボツボツが出ることがある場合、コリン性蕁麻疹が出ている可能性が高いです。

詳しくは後述しますが、コリン性蕁麻疹は、適度な運動を続けることで予防できると言われていますし、アトピーの状態が良くなると起こりづらくなると個人的には考えています。

汗で皮膚がアルカリ性寄りに傾き、黄色ブドウ球菌が増殖する

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌の電子顕微鏡写真

夏場の食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌ですが、実は皮膚にも住み着いています。

黄色ブドウ球菌の数が増えすぎると、その毒素によって皮膚に炎症が起こりやすくなってしまいます。

アトピーの場合、特に問題になるのが「スーパー抗原」という毒素で、皮膚の様々な免疫細胞を刺激して、強い炎症反応を引き起こします。

このように皮膚炎の原因となる黄色ブドウ球菌ですが、健康な皮膚では他の常在菌に比べて数が少ないため、問題となることはあまりありません。

なぜ黄色ブドウ球菌の繁殖が抑えられ、他の常在菌の方が優勢なのかというと、皮膚が弱酸性に保たれているからです。

常在菌は弱酸性の環境を好み、黄色ブドウ球菌は中性~弱アルカリ性の環境を好むため、黄色ブドウ球菌はうまく増えることが出来ないのです。

ところが、皮膚のpHがアルカリ性寄りに傾いてしまうと、他の常在菌を抑えて黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなってしまいます。

そして、皮膚がアルカリ側に傾いてしまう原因の1つが、「汗」なのです。

通常、汗は弱酸性(ph:5.5~6.5)なのですが、普段運動していない人やクーラーの効いた部屋に居ることが多い人の汗は、弱酸性ではなくなってしまっているそうです。[1]

そのため、普段から運動や外出で汗をかいていない人が運動を始めた場合、その汗はアルカリ性に傾いている可能性が高いです。

アルカリ性の汗を出せば、皮膚はアルカリ性に傾いてしまいます。

また、きちんと弱酸性の汗をかいていても、かいた汗を放置するとそのpHはだんだんとアルカリ性になっていきます。[2]

この点も、運動でかいた汗で皮膚がアルカリ性に傾く原因となります。

以上のように、運動でかいた汗は皮膚のpHをアルカリ寄りに変化させ、その結果として黄色ブドウ球菌の増殖につながるおそれがあります。

そもそも、アトピー肌には普通の肌よりも多くの黄色ブドウ球菌が生息していると言われていますから、アトピー改善のために運動する場合には、汗対策はきちんとしないと逆にアトピーが悪化しかねません。

具体的な汗対策については、もう少し後でお話しています。

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理由2. 血行が促進されて痒みが強まるから

血行が良くなり汗をかく男性

運動(有酸素運動)をすると、体中に酸素を行き渡らせるために血行が促進されます。

アトピーでない人であれば、血行が良くなっただけで痒みが起こることはありませんが、アトピーの場合、血行促進によって痒みがさらに強くなってしまいます。

炎症部分の血流が良くなって毛細血管が拡張することで、痒みが増してしまうからです(お風呂上がりに痒くなるのと同じイメージです)。

このような血行促進による痒みを無くすためには、汗の刺激対策と同様に、皮膚炎をある程度治すことしか有効な方法は無いと思われます。

理由3. 紫外線の悪影響を受けるから

紫外線で日焼けする女性

紫外線を適度に浴びることは、アトピーの改善に繋がります。皮膚の免疫細胞の過剰な働きが抑制されるからです。

でも、紫外線を浴びる時間が長くなれば、アトピーにとって悪影響の方が大きくなってしまいます。

紫外線がアトピーを悪化させる理由としては、

  • 紫外線の直接的な皮膚ダメージ(日焼け)
  • 紫外線によって皮膚で発生した活性酸素の悪影響

の2つが考えられています。

紫外線が皮膚に照射されると、皮膚で活性酸素という反応性の高い物質が生まれますが、これが皮膚の脂質と反応すると「過酸化脂質」という物質が生じます。

過酸化脂質が皮膚に蓄積されると、肌の保湿機能が低下して乾燥がさらに進み、アトピーの悪化に繋がってしまうのです。

例えば、日焼け対策を何もしないで毎日1時間くらい外で運動してしまうと、紫外線によってアトピーが悪化してしまいます。

ですから、屋外で運動する場合には、きちんと日焼け対策を取ることが必要になります。

理由4. 運動がハード過ぎるから

ハードな運動をする女性

普段から運動をしていない人が、急にハード過ぎる運動を始めると、極端に身体が疲れてしまいます。

適度な疲れはアトピーに好影響となりますが、疲労の程度が過ぎると、疲れが皮膚炎として現れてアトピーの悪化に繋がってしまいます。

ですから、現時点でのご自分の体力に見合った負荷の運動から始めること、無理をしないことが大切になります。

運動でアトピーを悪化させないための対策

以上のような「運動でアトピーが悪化する理由・仕組み」に対して、適切に対処することができれば、運動をしてもアトピーは悪化しなくなります。

対策・工夫は簡単なものばかりです。

汗をすぐに取り除く

汗ふきシートで肌を拭く女性

汗を放置すると皮膚がアルカリ性となって、黄色ブドウ球菌の数が激増して炎症の原因となってしまいます。

ですから、運動をしたらすぐに汗を皮膚から取り除くことが大切です。

そのためには、

  • 運動から帰ったらすぐにシャワーを浴びる
    シャワーの後の保湿もきちんと行います。
  • シャワーを浴びられないときは、汗を拭く
    濡れタオルや汗拭きシートを活用します。
  • 汗をかいたら下着シャツを着替える
    下着は吸水性のよい木綿素材のものがベストです。

という対策を取ればOKです。

例えば、ご自宅の周辺でウォーキングやジョギングをする場合には、帰ったらすぐにシャワーを浴びるようにします。

外出先で運動する場合でシャワーをすぐに浴びられないときには、携帯した清潔なミニタオルを濡らしたり、刺激の小さい汗拭きシートで汗を拭いてあげるようにします。

乾いたタオルで汗を拭くだけでは不十分です。濡れタオル・ガーゼや汗拭きシートを使うようにしましょう。

汗拭きシートは、普通の刺激の強い商品ではなくて、アトピー肌でも使える低刺激のものを選ばないと、かえってアトピーが悪化してしまいます。↓

また、木綿製の下着を着てしっかりと汗を吸収させること、汗をかいた後には下着を着替えることも大切なポイントです。

これは運動をするときだけではなく、日常生活でも同じです。

たとえば、会社や学校にたどり着くまでの通勤・通学途中で汗をかいてしまったのなら、トイレなどで下着を着替えるようにします。

これだけでも、汗が原因のアトピー悪化をだいぶ防ぐことができるはずです。

紫外線対策をきちんと行う

ビーチで紫外線を浴びる人

屋外で定期的に運動する場合には、日焼け対策を徹底するようにします。

日焼け対策としては、

  • 長袖シャツ・長ズボンを着用する
    夏場でも暑くない冷却感のある長袖もあります。
  • 日焼け止めクリームをきちんと塗る
    敏感肌用のクリームでないと危険です。
  • 帽子をかぶる
  • 運動の時間を必要以上に長くしない

というポイントを守るようにすればOKです。

アトピー肌でも使える日焼け止めクリームについては、以下の記事がご参考になるかと思います。

皮膚炎をある程度治してから運動を取り入れる

運動でアトピーが悪化する理由のうち、

  • 汗が炎症部分について刺激になってしまう
  • 血行促進で痒みが増す

という2つについては、皮膚炎の状態がある程度落ち着いてくれば、その悪影響の度合はかなり小さくなります。

皮膚炎が軽い状態になれば、運動して汗をかいてもシミないし、運動をしただけで痒みが強くなることもなくなるということです。

ですから、アトピー悪化防止・改善のためには、運動は、ある程度皮膚炎を落ち着かせてから、さらにアトピーを改善させるために取り入れるというスタンスが最も効果的だと思います。

皮膚炎が酷くて外出するのも億劫なときに無理して運動を始めても、かえってアトピーが悪化してしまう危険が大きいです。

ステロイド外用薬を適切に使ってまずは皮膚炎をコントロールして、そのうえで運動を取り入れて皮膚炎が出にくい体質に変えていく、という流れがおすすめです。

軽い負荷の運動から始めて、それを継続する

今まで運動してこなかっった場合に、いきなり30分のジョギングやハードな筋トレのような運動をしてしまうと、アトピーにかえって良くありません。

汗で皮膚のpHがアルカリ性になりやすいこと、コリン性蕁麻疹の危険が大きいこと、必要以上に疲労がたまること、これらが原因となってアトピーが悪化してしまうからです。

また、急にハードな運動を始める場合、身体的な負担となるだけなく精神的なストレスにもなってしまいます。

運動にストレスを感じてしまえばアトピーにとって良くありませんし、そもそも運動が習慣化しないことが多いはずです。

ですから、アトピー改善のために運動の習慣をつけようとする場合にはほとんとストレスの感じないレベルの負荷の運動から始めることが大切なんだと思います。

たとえば、10分程度の散歩やラジオ体操、階段の登り降りなど、始めやすく・続けやすい運動からスタートすることをおすすめします。

私の場合、散歩感覚でやるウォーキングと、スクワットをアトピー改善・予防のための運動として取り入れています。

気合がいらないし、ストレスもかからないので私でも続けられているのだと思います。

なぜウォーキングとスクワットなのか、その理由や具体的なやり方については以下の記事をご覧ください。

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まとめ

以上のように、運動でアトピーが悪化する理由には、汗・紫外線・痒みの増強・疲れ過ぎなどがありますが、

  • ステロイド外用薬を正しく使って、まずは皮膚炎をある程度治す
  • 本当に軽い負荷の運動からスタートする
  • 徐々に運動の負荷を強めていく
  • 運動をする際には、汗対策・紫外線対策を徹底する

といったポイントを抑えて運動すれば、

no name
運動したらかえってアトピーが悪化した!

という事態は防げるはずです。

また、この記事では運動でアトピーが悪化する仕組みについて取り上げましたが、運動をすると長期的にはアトピー改善につながります。

「運動してみようかな」という場合には、運動でアトピーが改善する理由についてザッと抑えておくと、モチベーションが上がるかもしれません。↓

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この記事の参考文献・サイト

▼ 読むとアトピー完治までの道筋が分かります ▼

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 Category: アトピー悪化原因の特定・除去