チョコレートにトランス脂肪酸が含まれる理由とトランス脂肪酸フリーのチョコの選び方

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チョコレートクッキーとチョコレートバー

動脈硬化や心疾患につながるとされるトランス脂肪酸ですが、市販のお菓子にも少なからず含まれているモノがあります。

調べてみると、お菓子の代表格のチョコレートもその例外ではなく、トランス脂肪酸を含む商品が多いようです。

ただ、「カカオと砂糖が主成分のチョコレートに、なぜトランス脂肪酸が入っているのか?」疑問に思ったので、すこし深掘りしてリサーチしてみました。

ということで、この記事では

  • チョコレートにどうしてトランス脂肪酸が含まれているのか?その理由
  • トランス脂肪酸が入っていないチョコレートの選び方

についてまとめてみました。読むとチョコレートの選び方が変わるかもしれません。

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多くのチョコレートに植物油脂が入っている

チョコレートの成分の4割近くは脂質ですが、この脂質は主に2種類の油脂に由来しています。

それは、

  • 主原料のカカオ由来の「ココアバター(カカオバター)」
  • 添加物である「植物油脂」

の2つです。

伝統的なチョコレートではココアバターだけが使われますが、日本で市販されている商品には植物油脂が使われていることが多いです。

では、なぜチョコレートに植物油脂を入れる必要があるのでしょうか。

チョコレートの原料の「植物油脂」の正体とは

チョコレートに含まれる植物油脂

ひとくちに「植物油脂」といっても、たくさんの種類があります。

チョコレートに添加されている植物油脂は、具体的にどんな種類の油なのでしょうか。

同じ疑問を抱いた方がヤフー知恵袋で質問していたので、一部引用します。↓

【質問】
チョコレートに含まれる植物油脂とは具体的には何の植物の油ですか?

【回答】
チョコレートに使われる植物油脂は、チョコレート代用脂と言われています。

パーム油、シア脂、イリッペ脂等のココアバターと性質の似ている植物油を加工して、よりココアバターの性質に近づけた加工油脂です。


チョコレートに含まれる植物油脂とは... - Yahoo!知恵袋

つまり、チョコレートの植物油脂の正体は「カカオバターに食感や口溶け感を似せた加工油脂」だったわけです。

この加工油脂は、一般的に「チョコレート用油脂」や「ハードバター」と呼ばれ、油脂メーカーが製造してお菓子メーカーに販売しています。

まったく知らなかったので、個人的にかなり衝撃的な事実でした。

安くて美味しいチョコレートに植物油脂は必要不可欠

チョコレート用油脂は、次のような特長を持っています。

  1. カカオバターよりもかなり安い
  2. 安定的に調達できる
  3. たくさんの種類があって、特徴ごとに使い分けが可能

カカオ豆は世界中で需要があるので、価格が高騰したり、仕入れにくくなったりするリスクがあります。

一方のチョコレート用油脂は、他の植物油脂を原料に工業的に作られていますから、より安く・より安定的に調達することができます。

また、チョコレート用油脂を製造する油脂メーカー各社は、食感や口溶け感の異なる、様々な種類の製品を用意しています。

例えば、食品油脂メーカー大手の不二製油は、17種類のチョコレート用油脂(ハードバター)を製造販売しています。↓

カカオバターだけだと、食感や口溶け感の調整には限界がありますが、チョコレート用油脂を使えばその調整がやりやすくなります。

市販のチョコレートのなかには、独特の食感や口溶け感をウリにしている商品がありますが、この手のチョコを作る際に、チョコレート用油脂が活用されているわけです。

以上のような事情から、安くて美味しいチョコレートには植物油脂(=チョコレート用油脂)が欠かせないというのが、実際のところのようです。

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チョコレート用油脂にトランス脂肪酸は含まれているか?

トランス脂肪酸(エライジン酸)の構造式

エライジン酸(トランス脂肪酸)の構造


チョコレートに植物油脂が入っているのは良いとして、問題はトランス脂肪酸が含まれているのかどうか?ですよね。

結論から言いますと、「少なからずトランス脂肪酸は含まれている」と考えたほうがよさそうです。

これは、チョコレート用油脂メーカーのウェブサイトを見るとわかりやすいです。

「低トランス脂肪酸」がウリのハードバターがある、ということは…

さきほどご紹介しました、不二製油のチョコレート用油脂の製品ラインナップのページを開いてみてください。

一覧表の中ほどにある「メラノ NT-R」という製品の説明文では、「低トランス脂肪酸であること(1%未満)」をアピールポイントとしています。

この表現からわかるのは、他のハードバターにも少なからず(おそらく1%以上)のトランス脂肪酸が含まれている、ということ。

これが、「チョコレートにトランス脂肪酸が含まれている」根拠の一つ目です。

チョコレート用油脂の製造工程はこんな感じ

これだけだと少し根拠が弱いので、つぎにチョコレート用油脂が作られる工程を調べてみると、トランス脂肪酸が生じるような加工をしていることが分かりました。

その工程について、チョコレート用油脂を製造している花王の商品ページから、一部引用します。↓

ハードバターは、液体の植物油を原料にし、水素を反応させて部分硬化した油脂が使われていました。

リノール酸やリノレイン酸などの2個以上ある不飽和結合に水素を反応させ、1個以下の不飽和結合を持つようにして融点を高くします。

この反応ではシス型からトランス型への幾何異性化反応も生じます。つまり、リノール酸やリノレイン酸からオレイン酸やエライジン酸(オレイン酸のトランス型異性体)へと反応が進みます。

エライジン酸を含む油脂はハードでシャープな融解性を持ち、ハードバターに最適な油脂といえます。


ファシル | 低トランス酸型ハードバター「ファシルシリーズ」 | 花王ケミカル製品

ここで登場する「エライジン酸」は、トランス脂肪酸の代表格です。↓

カカオバターは常温で固体の油脂ですから、常温で液体の植物油脂をカカオバターの性質に近づけるためには、加工によって常温で固体の油脂にしなければなりません。

その際の水素付加という工程で、トランス脂肪酸が発生してしまうわけです。

ちなみに、チョコレート用油脂の原料の植物油脂には常温で固体のパーム油などもあります。

ただこの場合でも、融点をカカオバターと近づけるために加工はされているはずですから、トランス脂肪酸発生は避けられないと思われます。

このように、チョコレート用油脂(ハードバター)が添加物として使われているチョコレートでは、トランス脂肪酸は少なからず含まれていると考えたほうが良さそうです。

お菓子メーカーに問い合わせると、トランス脂肪酸含有量を教えてもらえる?

トランス脂肪酸の危険性が広く知られるようになったこともあり、お菓子メーカーのなかには、トランス脂肪酸の含有量を公表している会社もあります。

また、会社に問い合わせると教えてくれるケースもあるようです。

例えばこちらのニュースサイトでは、メーカー各社にトランス脂肪酸含有量について質問した結果が記事になっています。

開示姿勢の違いへのツッコミなど、読み物としてもかなり面白いです。

乳製品には天然のトランス脂肪酸が含まれる

実は、トランス脂肪酸には天然のモノ人工的なモノの2種類があります。

牛やヤギなどのはんすう動物の肉や乳には、トランス脂肪酸がわずかに含まれていることが知られています。

ですから、チョコレートには乳由来の天然のトランス脂肪酸が微量ながら含まれていると思われます。

ただ、天然のトランス脂肪酸はその成分が人工的なトランス脂肪酸とは異なるうえ、含有量も加工油脂に比べてごく微量なので、摂取しても健康に問題はないようです。↓

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トランス脂肪酸フリーのチョコレートの選び方

ここまでお話してきましたように、チョコレートにトランス脂肪酸が含まれるのは、チョコレート用油脂が使われているからです。

逆に言えば、チョコレート用油脂が一切使われていなければ、トランス脂肪酸の心配は要らないはず。

チョコレート用油脂は原材料表記で「植物油脂」という名前になっていますから、パッケージの裏側を見て「植物油脂」と書かれていなければOKです。

チョコパイやチョコクッキーなどにはショートニングという油脂が入っていることが多いです。ショートニングにはトランス脂肪酸が含まれる可能性が大きいです。

植物油脂は入ってる?明治・森永・ロッテの主なチョコを調べてみた

コンビニで売られているような大手菓子メーカーのチョコレートには、植物油脂は入っているのでしょうか。

明治・森永・ロッテの3社の主力商品を実際にチェックしてみました。

明治ミルクチョコレートは植物油脂不使用

まずは、「チョコレートは明治♪」でおなじみの明治ミルクチョコレートから。

パッケージ裏面の原材料表記を見ると、「植物油脂」は入っていません。植物油脂由来のトランス脂肪酸の心配は要らなそうです。

さすが「チョコレートは明治」と自分で言うだけありますね。

ただ、明治ミルクチョコレートと同じシリーズの

  • 明治ハイミルクチョコレート
  • 明治ホワイトチョコレート
  • 明治ブラックチョコレート

には植物油脂が入っています。明治ミルクチョコレートと同じ形のパッケージですが、色が違います。↓

明治のチョコレートでは、植物油脂不使用の商品が他にもいくつか有りました。

「meiji the chocolate」シリーズ、「チョコレート効果」シリーズの商品は、植物油脂が入っていないものが多かったです。↓

ご注意

「meiji the chocolate」「チョコレート効果」シリーズの中には、植物油脂が使われている商品もあります。例えば、

  • meiji the chocolate 魅惑の旨みジャンドゥーヤ
  • チョコレート効果72%素焼きクラッシュアーモンド
  • チョコレート効果オレンジ&大豆パフ

などの原材料には、植物油脂が入っています。

購入する際にパッケージ裏面の原材料表記を確認して下さい。

森永DARSは植物油脂を使用

次は、森永製菓の定番チョコレート「DARS」を調べてみました。

↓のように、原材料に植物油脂が含まれています。

森永製菓チョコレートDARSの原材料表記

森永ダースには、赤いパッケージのミルク以外にも

  • ダース<ビター>
  • 白いダース
  • ダース<ガナッシュ>
  • ダース<宇治抹茶>

など、いくつか種類がありますが、どれも植物油脂が使われています。

森永製菓のチョコレートで植物油脂不使用のシリーズは、「カレ・ド・ショコラ(Carrè de chocolat)」シリーズです。↓

「カレ・ド・ショコラ」シリーズには

  • カカオ70
  • カカオ88
  • フレンチミルク
  • ベネズエラビター
  • マダガスカルホワイト

の商品ラインナップがありますが、「マダガスカルホワイト」を除き、全て植物油脂は入っていません。

ロッテのチョコレートに植物油脂不使用の商品は無い!?

最後に、ロッテの「ガーナ」シリーズを調べてみました。

原材料には植物油脂が入っています。

ロッテガーナミルクの原材料表記

私が確認した限り、ロッテのチョコレートで植物油脂が入っていないものは見つかりませんでした。

カカオ使用量が多いハイカカオタイプの製品でも植物油脂が使われています。

ベルギー産のチョコレートには植物油脂不使用が多い

ベルギーなどヨーロッパの一部の国では、「植物油脂を入れたチョコレートはチョコレートとは言えない」という認識だそうです。

例えば、ゴディバの板チョコには植物油脂が入っていません。

ただ、ゴディバのチョコレートでも植物油脂が入っている商品もありますので、注意が必要です。

「ベルギー産やスイス産だから植物油脂不使用」というわけではないです。

まとめ

以上、チョコレートにトランス脂肪酸が含まれる場合がある理由と、トランス脂肪酸フリーのチョコレートの選び方でした。

最近では、カカオのポリフェノールの健康効果など、チョコレートの効能が注目されています。

でも、チョコレートはほぼ砂糖と油で出来ているお菓子ですから、食べ過ぎたら健康には良くないはずです。

「たまに食べる」くらいがちょうど良くて、食べるなら植物油脂不使用のチョコレートを選ぶと安心だと思います。

まあ、そもそもアトピー改善・予防のためにはチョコレートは避けるべきお菓子のひとつなのですが。。。

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