チョコレートでアトピーが悪化する理由と食べてもよい量の目安

 投稿日    最終更新日 2017/03/18

チョコレート
チョコレートは好きだけど、食べるとアトピーの皮膚炎が悪化する・・・という方も多いのではないでしょうか。

私もその一人でして、チョコレートは基本的に食べないようにしています。

でも、「ただ我慢するだけ」というのも少し悔しいので、チョコレートでアトピーが悪化する理由を詳しくしらべてみました。

その結果、チョコレートの成分の

  1. アレルゲン
    人によって異なります
  2. チラミン(ヒスタミン類似物質)
  3. 植物油脂(加工油脂)
  4. 砂糖

の4つに、アトピーが悪化する危険があることが分かりました。

ということで、この記事ではチョコレートがアトピーを悪化させる仕組みをご紹介したいと思います。理屈が分かっていれば、チョコの甘い誘惑に打ち勝つことが出来るはずです(たぶん)。

あわせて、食べても良い量や頻度の目安についても考えてみます。「チョコは一生食べない!」というのは現実的ではありませんので。。

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チョコレートでアトピーが悪化する4つの理由

上で挙げましたように、チョコレートに含まれる「アレルゲン」「チラミン」「植物油脂」「砂糖」の4つに、アトピー悪化のリスクがあります。

それぞれ、順番に見ていきましょう。

チョコにアレルギー物質があれば炎症が起こる

カカオ豆

チョコレートの原料:カカオ豆

チョコレートの原材料の中にアレルゲンがあれば、当然ですが痒みや炎症が起こってしまいます。

チョコの原料にアレルゲンがあるかどうか、アレルゲンの種類は何か、は個人個人で異なります。

チョコに含まれるアレルゲンとしては、

  • 乳製品
  • カカオ
  • ナッツ類
  • 小麦
  • ニッケル

などが代表的です。

ミルクや豆類、小麦などの食物アレルギーはけっこう一般的ですが、ニッケルアレルギーはあまり馴染みがないですよね。

チョコレートには実は、100gあたり140~590μマイクロgのニッケルが含まれています(高カカオであるほど多い)。

ニッケルは重金属のひとつで、接触性の金属アレルギーを起こしやすいことが知られていますが、食品で摂取した場合にもアレルギーが起こり得るそうです。

参照:国民生活センター『高カカオをうたったチョコレート

「ミルクやナッツにアレルギーは無いけど、チョコを食べるとすぐに痒くなる」という場合には、ニッケルアレルギーやカカオアレルギーを疑ってよいかもしれません。

ただ、チョコの成分にアレルゲンがない人でも、チョコを食べた直後から痒みが出ることがあります。

次は、その原因となるヒスタミン類似物質についてです。

チラミンがアレルギー症状を悪化させる

チラミンの化学構造式

チラミンの構造式

チョコレートの原料のカカオには、チラミンという物質が微量ながら含まれています。

ちょっと可愛らしい名前とはウラハラに、アトピーの方にとってチラミンはかなり厄介なヤツなのです。

その理由は主に

  1. ヒスタミンの代謝を阻害する
  2. 血圧上昇や発汗・発熱作用で痒みが増す

の2つです。

まず、①の「ヒスタミンの代謝を阻害する」について。

ご存知のとおり、ヒスタミンは痒みやくしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を引き起こす物質です。

ヒスタミン
アレルゲンが入ってきた際に、皮膚や粘膜に存在するマスト細胞(肥満細胞)から放出される物質。ヒスタミンが血管や皮膚の細胞のヒスタミン受容体に付着すると、痒み・くしゃみ・鼻水などのアレルギー反応が起こる。

ヒスタミンはいつまでもそのまま存在するわけではなく、ヒスタミン代謝酵素によって分解されます。

ヒスタミンと構造が似ているチラミンは、この代謝酵素にとって「紛らわしい」邪魔者。チラミンがいると代謝酵素はキチンと働かなくなってしまいます。

その結果、ヒスタミンが正常に代謝されなくなり、アレルギー反応が酷くなったり長引いたりする危険が出てくるのです。

もうひとつの仕組みは、チラミンの直接的な作用によるものです。

ある程度の量のチラミンを摂取してしまうと、以下のような症状が起こってしまいます。※1

  • 血圧上昇
  • 高血圧症
  • 頭痛
  • 発熱・発汗
  • おう吐(時として)

このような症状が起こるのは、チラミンには血管収縮作用があるからです。

チラミンを摂取すると、短期的には血管が収縮するのですが、しばらくするとその効果が切れて逆に血管が拡張します。

このさいに、血圧上昇や心拍数の増加、偏頭痛などの症状を引き起こしてしまうのです。※2

簡単に言えば、血行が促進されるということですね。

アトピーの方であれば、「入浴後や運動後に痒みがひどくなる」というコトがあると思いますが、これは入浴や運動で血行が促進されているからです。

チラミン摂取でも、理論上はこれと同じ仕組みで痒みが増す可能性があります。

ただ、チョコレートに含まれるチラミンは微量ですので、この仕組みで実際に痒みが増すかどうかは個人の体質によって変わってくると思います。

敏感な方であればその影響を感じることもあるかもしれません。

チラミンを含む食品はチョコレート以外にもいくつかあります。詳しくは↓の記事で取り上げていますので、よろしければご覧ください。

油の摂り過ぎと植物油脂がアトピーを悪化させる

銀紙に巻かれたチョコレート

Picture by Simon A. Eugster [GFDL or CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

チョコレートのパッケージをよく見ると、ほぼ例外なく銀紙で包まれていますよね。

これは、そうしないと成分の油がしみ出してしまうからだそうです。それくらい、チョコレートには油分が多いということですね。

チョコの油分の多さは、製品の原材料表記の欄を見ると確認できます。

たとえば、コンビニで手軽に買える森永製菓の「ダース<ミルク>」の栄養成分は以下の通りです。

栄養成分
[ 1粒(標準3.6g)当り ]熱量:21kcal、たんぱく質:0.26g、脂質:1.4g、炭水化物:1.8g、ナトリウム:2.6mg


ダース<ミルク> | チョコレート | 菓子 | 商品情報 | 森永製菓株式会社

これを見ますと、チョコレートの栄養素は大まかに

  • 炭水化物(糖質):50%
  • 脂質:40%
  • たんぱく質:7%
  • その他:3%

のようになっていることが分かります。

チョコレートはほぼ脂質と糖質で出来ている、と言ってもよさそうです。

トクホのお茶のCMの「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」というキャッチフレーズがありましたが、チョコレートを美味しく感じるのは、このせいなのかもしれません。

さて次に、チョコレートの脂肪分の由来となる原材料は何か、確認してみます。↓

原材料
砂糖、ココアバター、全粉乳、カカオマス、植物油脂、脱脂粉乳、生クリーム、ヘーゼルナッツペースト、ホエイパウダー、バターオイル、乳化剤(大豆由来)、香料


ダース<ミルク> | チョコレート | 菓子 | 商品情報 | 森永製菓株式会社

これを見ると、チョコレートの脂質は主に、「ココアバター」と「植物油脂」の2つに由来していることが分かりますね。

さて、ここまでの情報をふまえて、チョコレートの油がどうしてアトピーに悪いのか?についてお話ししていきます。

チョコの油がアトピーを悪化させる理由としては、

  1. 摂り過ぎた油が皮脂腺から出て、皮膚炎につながる
  2. 植物油脂に含まれるトランス脂肪酸がアトピーに良くない

の2つが考えられます。

それぞれ、順番に詳しく見ていきましょう。

皮脂腺から排出されたアブラが湿疹や痒みを引き起こす

上で触れましたように、チョコレートの約40%は脂質(油分)ですから、食べすぎると脂質の摂り過ぎになってしまいます。

例えば、一般的な板チョコ(50g)を1枚食べた場合、約20gの脂質を摂取することになります。

年齢や性別によっても異なりますが、これは1日あたりの目標値のおよそ25%に相当する摂取量です。

脂質は朝昼晩の食事でも摂りますから、チョコレートで上限値の25%も摂取すれば、「油の摂り過ぎ」になってしまう可能性が大きいです。

とくに普段の食事で油に気をつけていない場合には、おそらく油の摂り過ぎになるはずです。

厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2015年版)』を元に算定しています。詳しくは『アトピーの人が食べても良い油(脂質)の量は1日あたりどれくらい?』の記事をご覧ください。

体内に取り入れた脂質はエネルギー源や細胞膜の材料として使われますが、使われなかった部分は体内に蓄えられるほか、皮脂腺から排出されます。

皮脂腺から出る余計なアブラは湿疹やかゆみの原因となり、アトピーの悪化につながってしまうわけです。

この点について、植物油の危険性を訴える皮膚科医、永田良隆先生の著書から引用します。↓

必要以上にとり過ぎた植物油は体内からあふれ出て、やがて皮脂腺から体外に排出され、それがかゆみの元になります。

(…中略…)

アトピーが最初に表れる場所は決まって、おでこ、顔のほお、脇の下、腕の関節部分などです。これはどこも皮脂腺が多く集まっている場所です。

(…中略…)

おでこなどに赤みが出たり、皮疹が出はじめたら要注意です。ろうせい湿疹のはじまりで、アトピーの燃料が供給されはじめている証拠です。


『油を断てばアトピーはここまで治る』p30 永田良隆 著(三笠書房)

「チョコを食べると顔やおでこが痒くなる・・」という場合、皮脂腺から排出された余計なアブラが原因かもしれません。

ちなみに私は、たまに欲望に負けてチョコ味のアイスバーを食べてしまうのですが、翌日くらいにおでこが痒くなって後悔します。

チョコに含まれるトランス脂肪酸がアトピー体質を悪化させる

チョコレートケーキにかかるチョコレートここまでは、脂質の「量」に関するお話でした。次は、脂質の「質」について見ていきます。

先述のとおり、コンビニで売られているようなチョコレートの脂質は、ココアバター(カカオバター)と植物油脂に由来しています。

ココアバターはカカオ豆の脂肪分を抽出したもので、成分の脂肪酸は

  • オレイン酸
    ← ω-9脂肪酸(一価不飽和脂肪酸)
  • ステアリン酸
    ← 飽和脂肪酸
  • パルミチン酸
    ← 飽和脂肪酸

の3つがメインでして、これらで全体の95%を占めています。

オレイン酸はオリーブオイルにも含まれ、酸化しにくいのがその特徴です。ω-9(オメガ9)脂肪酸ですから、アレルギー体質と強く関係する「ω-3:ω-6脂肪酸バランス」を崩すこともありません。

そのため、摂り過ぎなければアトピー悪化につながる危険は小さいです。

ステアリン酸とパルミチン酸は飽和脂肪酸で、オレイン酸よりもさらに酸化しにくい性質を持ちます。これもアトピーにはつながりません。

したがって、量さえ間違えなければ、ココアバターはアトピーを悪化させない油だと言えます。

一方、チョコに含まれる植物油脂のほうは、アトピーを悪化させるリスクがあります。

「植物油脂」と聞くと、サラダ油やキャノーラ油、コーン油などを想像してしまいますが、チョコに含まれる植物油はこのタイプの油ではありません。

ココアバターに似た性質になるように、植物油を加工して作られた加工油脂で、「チョコレート用油脂」や「ハードバター」と呼ばれています。

チョコレート用油脂は、ココアバターと同じような舌触り・口溶け感が得られ、価格が安いのが特徴です。

なぜこのような人工的な油を添加するのかといえば、原材料費をおさえてチョコレートを低価格で安定的に販売するためです。

ココアバターは他の油脂に比べて高価ですし、世界的な需要の変化で価格が高騰したりします。

「安くておいしい」チョコレートをリーズナブルな価格で売るためには、ココアバターの比率を下げて、かわりにチョコレート用油脂(ハードバター)を入れる必要があるわけです。

このような事情でチョコレートに添加された植物油脂ですが、問題は、その加工工程で「トランス脂肪酸」という自然界にはほぼ存在しない脂肪酸が発生してしまうこと。

「動脈硬化の原因になる!」のように、テレビなどでかなり話題になりましたから、ご存知の方も多いと思います。

そして実は、トランス脂肪酸はアトピーを悪化させるリスクも指摘されています。↓

トランス脂肪酸とは、植物に由来しているものの、その製造過程で構造が天然としては存在しないかたちに変わってしまった油だ。

このトランス脂肪酸はアレルギーとどうかかわっているのか。

オメガ6系、オメガ3系の油がアラキドン酸やEPAの形で細胞膜に入っていくという話はすでにした。

トランス脂肪酸もまた、細胞膜のなかに入るのだが、そのことによって、細胞膜が持っているやわらかさがなくなっていくのだ。

また、代謝されにくいため、代謝の際にビタミンやミネラルが必要以上にたくさん消費されてしまうのである。

その結果、アレルギーや炎症が起こりやすくなる、といわれている。


『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p136,137 溝口徹 著(青春出版社)

チョコレートに含まれるトランス脂肪酸はごく微量と言われていますが、日常的にチョコを食べてしまえば、トランス脂肪酸の影響でアトピーが悪化するリスクは無視できなくなるはずです。

チョコの砂糖がアトピーを治りにくくする

大量の角砂糖
チョコレートのもうひとつの主成分である糖質(砂糖)も、アトピーにかなりよくありません。

チョコレートに限った話ではありませんが、糖質の過剰摂取はアトピーを治りにくくする危険があります。

これは、砂糖を日常的に食べると「副腎疲労症候群」という状態になるからです。

砂糖を多く含む食品を食べると、体内で次のような仕組みがはたらきます。

砂糖の摂取の直後から血糖値が急上昇する。

インスリンが大量に、しかも長時間にわたって分泌される。

血糖値が急激に下がる。食前よりも低い水準となる。

血糖値の急降下に対して、からだが「危険信号」を発信する。

副腎からインスリン拮抗きっこうホルモンが分泌され、血糖値を上げようとする。

副腎からのインスリン拮抗ホルモンの分泌は、血糖値の急上昇という緊急事態に対応するための、言わば「特例的な」働きです。普通の食事では起こりません。

砂糖を頻繁にとると、本来なら働かなくてもいい場面でも、副腎を働かせることになります。

月曜から金曜まで働き詰めだった人に、さらに土日出勤をお願いしているイメージです。

このように副腎を酷使していると、副腎が疲れ切ってしまい、副腎疲労症候群になる危険があるわけです。

アトピーの場合、この副腎疲労症候群は皮膚炎の悪化・慢性化につながります。

副腎はコルチゾールという抗炎症作用をもつ副腎皮質ホルモンを分泌していますが、副腎疲労でこのコルチゾールの分泌量が減るため、からだに備わった炎症を抑える力が弱くなってしまうからです。

その結果、皮膚炎は治りにくくなり、アトピーの悪化・慢性化につながってしまうのです。

以上のようなしくみを考えますと、「日常的にチョコレートを食べるとアトピーが悪化する」というのは、かなり説得力があると感じます。

チョコの半分は砂糖ですから。。

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チョコレートを食べてもよい量・頻度の目安

まず、チョコレートを食べるとすぐに痒みや湿疹が出ることが経験的に分かっている場合、当然ですがチョコレートは原則NGです。

すぐに症状がおさまるとしても、それがキッカケでアトピーが悪化に転じてしまう危険があります。

つぎに、アトピーの状態が酷くてつらい場合には、チョコレートはしばらくの間、徹底的に避けたほうが良いと思います。

「しばらくの間」とは、皮膚炎がある程度治り、「症状をコントロール出来ている」と感じられるまでの間です。

日常的にチョコレートを食べていた場合、チョコレートをやめるだけでもアトピーは確実に改善に向かうはずですから、頑張って我慢するだけの価値はあると思います。

皮膚炎の状態が落ち着き、ストレスをあまり感じていない場合には、たまにチョコレートを食べる程度であれば問題は起こらないと考えます。

「たまに食べる」とは、月に1,2回くらいです。週に何回も食べてしまっては、またアトピーが悪化してしまいます。

月1,2回というと、イメージ的には「友人と遊ぶときに、付き合いで食べる」くらいの頻度ですね。

食べる量についてですが、私の場合、1回につき多くとも2,3粒くらいにしています。

アトピーが落ち着いた・治ったあとでも、「チョコレートは自分からは積極的に食べない」という姿勢が、アトピー予防のためには必要だと思います。

また、板チョコなどの分かりやすいものだけでなく、チョコクッキー・チョコチップの含まれるアイス・パフェ、クレープなどにもチョコレートは含まれます。

甘いものが欲しくなったときには、チョコレートが使われているものは出来るだけ避けたほうが安全です。

「どうしてもチョコが食べたい!」というときには、植物油脂不使用で砂糖の少ないタイプの商品を選びましょう。

トランス脂肪酸フリーのチョコレートについては、以下の記事でご紹介しています。

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まとめ

以上のように、アトピー改善や予防のためには「チョコレートは基本的に食べない」という姿勢が必要です。

…と、かなり偉そうにお話してきましたが、

実は、私は2週間前くらいから「パルム」というチョコでコーティングされたアイスクリームにハマってしまい、かなりの頻度で食べてました(欲望に弱い…)。

すると案の定、おでこを中心に結構強めの痒みが出ました。

久しぶりにチョコアイスを食べたらめちゃくちゃ美味しかったので、ついつい連続して食べてしまったのです。

自分としては「しばらく痒みも皮膚炎も出てないし、たぶん大丈夫だろ」的なノリで、チョコアイスを食べ続けていたのですが、全然大丈夫ではありませんでした。

やはり、アトピーが辛い時にはチョコは一切食べない。治っても基本的に食べない。という付き合い方がベストなんだと思います。

おやつ・間食には、少量のナッツ類(アーモンドやクルミ)・するめ・ビーフジャーキー(無添加タイプ)などがオススメです。

糖質が少なく、少ない量でも満足できるので食べ過ぎにならないからです。

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