アトピー肌にニキビや膿が出たら、それは黄色ブドウ球菌のせいかも

 投稿日    最終更新日 2017/05/10

細菌・ウィルスのイメージ

「アトピー肌は乾燥していて皮脂も少ないから、ニキビは出にくい」と思ってしまいますが、

no name
アトピーだけど、ニキビが酷くなってきた。。
no name
アトピーの部分に白いうみみたいなボツボツが出てきたんだけど・・・。

ということは結構多いです。

こういう場合、ニキビではなくて、皮膚で黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖している疑いがあります。

アトピーの炎症がある皮膚はバリア機能が低下しているため、黄色ブドウ球菌などの悪い細菌が繁殖しやすくなっているからです。

そして、黄色ブドウ球菌の出す「毒素」のせいで、アトピーの皮膚炎がさらに治りにくくなるリスクもあります。

ということで、この記事では

  • なぜアトピー肌では黄色ブドウ球菌が繁殖しやすいのか
  • 黄色ブドウ球菌が皮膚で増えると、なぜアトピーが悪化するのか
  • 黄色ブドウ球菌に感染した場合は、どう対処すればよいのか
  • 黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐためには何に気をつければいいのか

という点についてまとめたいと思います。

私自身、脱ステロイドに失敗して悲惨な状態になったとき、皮膚で黄色ブドウ球菌が繁殖しており、ステロイドを塗ってもなかなか皮膚炎が治らないという状況に陥っていました。

皮膚にニキビのようなボツボツが出ている場合には、ぜひご覧ください。

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アトピー肌に黄色ブドウ球菌が繁殖しやすい理由

あまり想像したくありませんが、私たちの皮膚上にはびっしりと細菌が住んでいて、「皮膚常在菌」などと呼ばれています。

常在菌の代表例がブドウ球菌でして、

  • 表皮ブドウ球菌
  • 黄色ブドウ球菌

の2つに大別されます。

「表皮ブドウ球菌」の病原性は低く、人体に害を及ぼすことは少ないです。むしろ逆に、皮膚の健康に役立つ働きをしているとされています。

一方、同じブドウ球菌でも黄色ブドウ球菌は病原性が高く、皮膚で繁殖しすぎると化膿などの症状が現れてしまいます。

通常の皮膚では表皮ブドウ球菌の方が多く、黄色ブドウ球菌の繁殖は抑えられているため、皮膚にトラブルが生じることはありません。

しかし、アトピーの人の皮膚では黄色ブドウ球菌が繁殖しやすいと言われています。

これはどうしてでしょうか?理由としては、主に3つ挙げられます。

乾燥や炎症で皮膚のバリア機能が損なわれているから

炎症の無い皮膚は、外部からの異物から体を守るための「バリア」の機能を持っています。

一方、アトピー肌ではこのバリア機能がかなり低下してしまっています。

炎症や掻き壊し部分ではバリアがほぼ無くなっていますし、炎症が無い部分でも乾燥しているとバリア機能が著しく低下しているからです。

このようなバリア機能の低下した皮膚では、通常よりも細菌が繁殖しやすくなってしまい、これが黄色ブドウ球菌の繁殖につながってしまうわけです。

皮膚が弱酸性ではなくアルカリ性寄りの傾いているから

人体に「悪さ」をしない大部分の皮膚常在菌は、弱酸性の環境を好みます。

彼らは、皮脂を「脂肪酸」と「グリセリン」に分解して、脂肪酸を増やすことで皮膚のpH(ペーハー)を弱酸性にキープしようとしています。

一方の黄色ブドウ球菌は弱酸性ではなくアルカリ性の環境を好み、弱酸性の環境下では増えることができません。

このように、炎症の無い皮膚では表皮ブドウ球菌などの働きによって皮膚が弱酸性に保たれているため、黄色ブドウ球菌の繁殖が抑えられています。

しかし、皮膚炎がある状態では肌のpHがアルカリ性寄りに傾いてしまいます。

その結果、アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌が繁殖してしまうのです。

ステロイド外用薬で皮膚の免疫力が低下しているから

アトピー治療で使うステロイド外用薬も、皮膚で黄色ブドウ球菌が増えてしまう原因の1つです。

ステロイドを使うと炎症がおさまるのは、皮膚の免疫細胞を抑制して炎症反応にストップをかけるからです。

アトピーの皮膚炎は、外部の異物に対して皮膚の免疫細胞が過剰に反応することで起こりますから、これを抑制することでアレルギー反応をしずめているわけです。

ステロイドで皮膚の免疫細胞の働きが鈍ると、当然ですが細菌などに対する防御力も低下してしまいます。

結果として、細菌の繁殖を抑える力も弱まり、黄色ブドウ球菌などの悪い細菌・真菌の増加につながってしまいます。

以上のように、アトピー肌では

  • 皮膚バリア機能の低下
  • 皮膚のpHが弱酸性でなくなること
  • ステロイド外用薬の副作用

によって、普通の皮膚に比べて黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなってしまいます。

では次に、皮膚で黄色ブドウ球菌が繁殖するとなぜアトピーが悪化するのか、その理由について見ていきましょう。

黄色ブドウ球菌の毒素「スーパー抗原」がアトピーを悪化させる

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌の電子顕微鏡写真

黄色ブドウ球菌に限らず、皮膚に生息する細菌類は何かしらの毒素を出しています。

黄色ブドウ球菌の毒素は他の皮膚常在菌に比べて、その毒性が強いため問題となります。

アトピーの場合、特に問題なのが「スーパー抗原」と呼ばれるタイプの毒素です。

スーパー抗原は、皮膚に存在する各種の免疫細胞を刺激し、強い炎症反応を引き起こしてしまいます。

アトピー性皮膚炎では、ただでさえアレルギー反応が起きている状態なのに、黄色ブドウ球菌のスーパー抗原によって炎症がさらに強くなってしまうわけです。

スーパー抗原

細菌が出す「スーパー抗原」と呼ばれる毒素は、様々な自然免疫細胞(樹状細胞・好中球・好酸球など)やTh2細胞、マスト細胞を刺激します。

様々な免疫細胞が刺激されると強い炎症反応が起こり、アトピー性皮膚炎の悪化につながってしまいます。

この仕組みで皮膚炎が悪化すると、皮膚バリア機能のさらなる低下につながり、皮膚は外部からの刺激・異物に対してより過敏に反応するようになります。

そして、皮膚炎を治そうとステロイド外用薬を使うと、その皮膚免疫細胞の抑制効果で黄色ブドウ球菌にとってもっと住みやすい環境になってしまいます。

黄色ブドウ球菌が起こす悪循環

黄色ブドウ球菌が皮膚で繁殖する

黄色ブドウ球菌が出す毒素「スーパー抗原」によって、皮膚炎が酷くなる

皮膚のバリア機能がさらに低下する

アレルギー反応がより起こりやすくなり、炎症も強くなる

黄色ブドウ球菌にとって、皮膚がさらに住みやすい環境になる

このように、いちど黄色ブドウ球菌が皮膚で繁殖してしまうと、アトピー悪化の悪循環に陥ってしまうリスクが大きくなるのです。

ですから、黄色ブドウ球菌の繁殖(皮膚感染)が疑われる場合には、キチンとした対処をしないと、「ステロイドを塗っても皮膚炎が治らない…。」というツラい状況になってしまいます。

それでは、黄色ブドウ球菌が皮膚で繁殖すると、具体的にどのような症状として現れるのでしょうか。

皮膚の黄色ブドウ球菌感染が疑われる症状

黄色ブドウ球菌などの細菌が皮膚で繁殖している場合、ニキビのような膿・腫れ物が皮膚に現れてきます。

私の場合、きちんとしたアトピー治療を始めるまでは、「市販のステロイド外用薬を買っては塗る、無くなったらまた買いに行く…」というステロイドの使い方をしていました。

そのときは、あご周辺や首、腕などにニキビのような白い膿を伴うボツボツができていましたが、

no name
またニキビができてるよ。アトピーだけで勘弁してくれないかな…

くらいにしか思っていませんでした。

ところが、その後考えを改めて皮膚科に行ったところ、診察室に入って椅子に座る前に

no name
ああー。細菌がいっぱいいるねー。ステロイド塗っても綺麗にならないでしょ?

とお医者さんに言われたのです。

専門家から見れば、私の皮膚に出来たボツボツはニキビではなく、黄色ブドウ球菌の繁殖であることは明らかだったようです。

私の場合、後述する対処法で皮膚から細菌を追い出すことが出来て、その後は短期間で皮膚炎の状態は改善、肌はすぐに綺麗になりました。

皮膚科で行う細菌検査

アトピー肌で繁殖が疑われるのは、実は黄色ブドウ球菌だけではありません。真菌の一種(カビ)も繁殖しているケースも多いそうです。

そのため、皮膚の細菌感染が疑われる場合、細菌・真菌の種類を特定するために検査をする場合もあります。

綿棒で皮膚をこすってサンプルが取られ、それが検査機関に送られて調査されます。

検査結果は当日ではなく、後日(次回の診察時など)教えてもらえます。

このように、皮膚に白い膿のようなボツボツやニキビみたいな湿疹が出来ている場合、黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖している可能性があります。

もちろん、元々ニキビがよく出来る体質の場合、黄色ブドウ球菌ではなくニキビである可能性の方が高いと思います。

ただ、素人目には「ニキビなのか、黄色ブドウ球菌なのか」というのは、かなり分かりづらいですよね。

ニキビとの判別は、皮膚科の専門医であればきちんと行うことが出来ますし、繁殖しているのはどういう細菌か?というコトも、サンプルを採って調べてくれます。

黄色ブドウ球菌によるアトピー悪化・慢性化のリスクを考えますと、いちど皮膚科に行って皮膚の状態を診てもらい、診断してもらった方がよいと思います。

毛穴が少なく、ニキビができにくいような場所(腕など)にボツボツができている場合などは、とくに細菌感染の可能性が高いと考えられます。

黄色ブドウ球菌が繁殖してしまったときはどうすれば良い?

カルテを見る男性医師

次は、皮膚に黄色ブドウ球菌が繁殖してしまった場合、どういった対処法をするのか?という点です。

まず大前提として、ご自分だけで何とかしようとするのではなく、皮膚科医の指導のもとで治療を行いましょう。

「ニキビか黄色ブドウ球菌か」の判断もそうですが、黄色ブドウ球菌がキチンと追い出せたかどうか?の見極めも、私たち素人には限界があるからです。

皮膚科で黄色ブドウ球菌の繁殖(感染)と診断された場合、黄色ブドウ球菌を追い出すための方法として、次の2つの対策が取られることが多いようです。

  • 抗生物質を一定期間飲み続ける。
  • 殺菌作用のあるローションを肌に塗る。

という2つです。

どちらも、皮膚科で処方してくれます。

抗生物質の服用には、腸内細菌のバランスが崩れるなどのデメリットもありますが、アトピー改善のためには、このデメリットよりも黄色ブドウ球菌を追い出すメリットのほうが大きいはずです。

これが、最も手っ取り早く皮膚から細菌を追い出す対策と言えます。

次に、殺菌作用のあるローションをステロイド外用薬と併用して皮膚に塗ります。

アルコール成分が入っているため、皮膚炎がある箇所に塗るとかなりシミますが、皮膚から細菌がいなくなるまで短期間の辛抱です。

この2つの対策を講じれば、かなり短期間で黄色ブドウ球菌の数は通常レベルに減ってくれます。

私の場合、1週間くらいで白い膿をともなうボツボツが消えてくれました。

そして黄色ブドウ球菌がいなくなったあとは、ステロイド外用薬を塗った時の皮膚炎の治りが、以前に比べてかなり良く(早く)なったことを実感しました。

逆に言えば、黄色ブドウ球菌が繁殖している状態の皮膚では、アトピーの皮膚炎はかなり治りにくいということです。

この状態でステロイドを塗っても、「治りきらない」「治ってもすぐに再発する」という事態になり、ステロイドの使用期間が長くなってしまいます。

ステロイドを塗る期間が長くなれば、それだけステロイドの副作用(皮膚への局所的なもの)の心配が出てくる。

このような感じで、黄色ブドウ球菌の繁殖を放置すると、アトピー治療はなかなか上手くいかないのだと思います。

こういう事態を防ぐためにも、

no name
変なボツボツが出来てきた・・・。ニキビかな?

と思ったら、念のために皮膚科に行って確かめてもらうことをお勧めします。

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黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐための注意点

治療して黄色ブドウ球菌を皮膚から追い出しても、気を付けないとまた繁殖してしまいます。

黄色ブドウ球菌を増やさないためには、以下のようなポイントを守ればOKです。

  1. 皮膚は石けん・ボディーソープでキチンと洗う
  2. 適度に有酸素運動を取り入れ、汗をかく
  3. ステロイド外用薬をちゃんと使う

石けんの泡でキチンと洗わないとダメ

石けんで体を洗う

アトピー治療法・体験談のなかには、「アトピー肌は石けんで洗ってはいけない!」という説があります。

「石けんやボディーソープの泡の界面活性剤で皮脂が取れ、皮膚の乾燥がひどくなるから」というのが、この説の根拠です。

これはこれで説得力を感じるのですが、毎日の入浴・洗顔で石けんを使わないと、黄色ブドウ球菌の繁殖リスクは高まってしまいます。

アトピー改善の観点からは、石けんを使うメリットのほうがデメリットよりも大きいです。

入浴後にしっかりと保湿をすれば皮膚の乾燥は防げますので、石けんやボディーソープをキチンと使って、皮膚炎の部分も含めてちゃんと泡で洗った方がよいです。

なお、昔ながらの石けんは弱アルカリ性ですので、黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐという意味では、弱酸性のボディーソープのほうがおすすめです(石けんは「成分がシンプル」というメリットがありますが)。

有酸素運動で汗をかくと黄色ブドウ球菌の繁殖が防げる

汗をかいた肌

適度な運動はアトピー改善に効果的ですが、その理由の1つが「正常な汗をかけるようになる」というものです。

アトピー患者の方の汗は量が少なく、pHがアルカリ性に傾いていると言われています。

汗には「抗菌ペプチド」と呼ばれる殺菌成分が含まれるので、黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える効果があります。

汗の量が少ないとこの制菌効果が小さくなり、黄色ブドウ球菌の繁殖につながってしまいます。

また、汗のpHがアルカリ性寄りの傾くことも、黄色ブドウ球菌を増加させます。黄色ブドウ球菌はアルカリ性の環境が好きだからです。

有酸素運動などの汗をかく運動を続けると、しだいに汗の量もpHも正常に戻っていきます。

キチンと汗をかけるようになれば、汗に含まれる抗菌ペプチドや弱酸性のpHによって、黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐことができます。

汗をかくための運動として何をするか?ですが、個人的には「つらく感じない程度のウォーキング」を定期的にやれば十分かなと考えています。

ステロイドを塗って皮膚を出来るだけキレイに保つ

ステロイド外用薬

黄色ブドウ球菌が繁殖してしまう原因の1つは、「皮膚バリア機能の低下」でした。

皮膚のバリア機能が失われるのは、炎症(皮膚炎)と乾燥が主な原因です。

「ステロイドを怖がって全く塗らない」「塗っていても量が足りない」という場合、皮膚に常に炎症が残っている状態です。

この皮膚の状態ではバリア機能が十分ではないため、黄色ブドウ球菌が増えやすくなってしまいます。

ステロイド外用薬をキチンと塗って、出来る限り皮膚炎の無い状態で過ごすことが、黄色ブドウ球菌感染の予防のためには大切です。

「ステロイドを塗るのが怖い。」と感じる場合には、以下のページをぜひご覧ください。

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まとめ

アトピー性皮膚炎の場合、皮膚に黄色ブドウ球菌が繁殖してしまうことは珍しいことではありません。

「アトピー患者の90%以上で黄色ブドウ球菌等による二次的な細菌感染症が認められた」という文献もあるくらいです。(1)

私のように「単なるニキビ」と思って、長期間放置してしまうと、その間、アトピー性皮膚炎が改善する可能性はかなり低くなってしまいます。

ニキビのようなブツブツがあって、皮膚炎が治りにくいと感じる場合、皮膚科に行って診断してもらうことをおすすめします。

また、日常のスキンケアで黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐこともかなり大切です。

「皮膚を清潔に保つ」という基本的な注意点が特に重要、と個人的には感じています。

皮膚炎の部分や掻き壊してしまった部分を石けんの泡で洗うのは痛いですが、炎症の部分もしっかりと洗った方がよいと思います。

アトピーが良くなったあとも、皮膚を清潔に保つのは大切ですね。

no name
お風呂、面倒くさい。今日はパスでいいかー。

みたいなのは、良くないです(自戒)。

風呂は毎日入ることを指示する男性

この記事の参考文献・サイト

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