子供のアトピーが大人になると自然に治ることがあるのはなぜ?

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子供の頃にアトピーであっても、大人になると自然に治るケースもあります。

アトピー性皮膚炎が珍しかった時代(1970年代以前)には、むしろアトピーは成長とともに自然と治る病気とされていて、遅くとも中学校に上がる前に治るのが通常だったそうです。

参照元:『丹羽博士の正しい「アトピー」の知識』p22

著者である丹羽医師の体験として、1960年代のアトピー患者のほぼ全てが乳幼児であって、アトピーと小児喘息は小学校に上がる前に全員が治ってしまったそうです。

当時の医師にとっては、「小学校6年生のアトピー患者」というのは夢想だにしなかったことだったらしいです。

現在の状況は昔とは違い、子供のアトピーがそのまま成人性のアトピーに移行してしまうことが多いように感じます(私もそうでした)。

しかし、現在でも成長とともにアトピーが自然と治った人達も確かにいて、体験談などを読むことが出来ます。

では、なぜ彼らのアトピーは大人になったら治ったのでしょうか?

この記事では、

子供のアトピーが大人になったら治ることのある理由

についてお話したいと思います。

これを知ることで、子供のアトピーを治りにくい大人のアトピーに移行させないための注意点が分かるはずです。


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1. 子供のアトピーと大人のアトピーの違い

子供のアトピーが大人になると治る理由を知るためには、

子供のアトピーと大人のアトピーの違い

を知っておく必要があります。

子供のアトピーと大人のアトピーの違いとしては、皮膚炎(皮疹)の出方など「症状の違い」もありますが、一番重要なのは「原因の違い」です。

1-1. 子供のアトピーに特有の悪化原因

子供のアトピーに特有の悪化原因としては、

  • 食物アレルギー
  • 肌の乾燥(ドライスキン)

の2つが挙げられます。

もちろん、食物アレルギーと皮膚の乾燥は大人のアトピーでも悪化原因となりますが、子供の場合と大人の場合では、大きな違いがあります。

それは、子供の場合、食物アレルギーやドライスキンが成長とともに改善されていくことが多いということです。

子供の身体は成長過程にあって、各器官が未成熟な状態です。

このことが、食物アレルギーやドライスキンの原因となっているのです。

胃腸・腸管が未成熟な乳児は、離乳食に含まれるタンパク質を上手く分解できず、タンパク質は分解されないままに吸収されてしまいます。

吸収されたタンパク質はアレルゲンとなり、食物アレルギーが起こってしまうことがあるのです。

子供は成長するにつれて胃腸も発達して、きちんと食物を分解できるようになりますから、その段階で食物アレルギーの症状は無くなるか、軽くなっていきます。

つまり、成長とともに「食物アレルギー」というアトピー悪化原因が無くなっていくことが多いということです。

また、子供の皮膚も腸管同様に未成熟で、皮脂の分泌などが成熟した大人の皮膚に比べて上手くできません。

このことが子供のドライスキンの1つの原因となっていますが、食物アレルギーと同様に成長とともに皮膚が発達して皮膚の乾燥は起きにくくなります。

1-2. 大人のアトピーに特有の悪化原因

大人のアトピーの悪化原因では、食物アレルギーの影響はかなり小さくなり、その代わりストレスやダニ・ホコリなどの生活環境に関する項目の悪影響が大きくなります。

ストレスは、仕事や育児を続ける限り避けられませんし、ダニ・ホコリアレルギーも一度発症してしまうと、アレルゲンを徹底的に除去しないかぎり皮膚炎としてその症状が出てしまいます。

このように、大人のアトピーの悪化原因には、「対処しないと無くならない」・「そもそも無くすことのできない」悪化原因が存在し、この点が子供のアトピーとの大きな違いです。

「大人のアトピーは治りにくい」と言われる理由の1つが、このような大人特有のアトピー悪化原因の存在です。

2. 子供のアトピーが成長とともに治る理由

以上のように、子供のアトピーの大きな原因である

  • 食物アレルギー
  • 皮膚の乾燥

の2つは、子供が成長して身体が発達するにつれて解消されていくことがあります。

例えば、食物アレルギーの割合は乳幼児で「10人に1人」と言われていますが、小学生以降になると「100人に1.3人~2.6人」程度に激減するそうです。

食物アレルギーがアトピーの主原因だった場合には、食物アレルギーが自然と治ることでアトピーも治ることがあります。

また、成長とともに皮膚も発達して、皮膚が乾燥しにくくなります。アトピーの大きな悪化原因である「皮膚の乾燥」が無くなれば、アトピーも自然と治ることがあります。

ただ、食物アレルギーやドライスキンが「自然と治る」のは、その原因が「身体の未成熟」にある場合です。

例えば、遺伝的に皮膚の保湿機能が弱い場合には、大人になっても皮膚は乾燥しやすいままですから、何の対策も取らなければドライスキンの状態になり、アトピー性皮膚炎の悪化・発症につながります。


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3. 子供のアトピーを子供のうちに治すための注意点

以上のように、「子供のアトピーは大人になると自然と治る」可能性はあるものの、その可能性に期待して何も対策を打たないのは、もちろんよくありません。

子供のアトピーを大人のアトピーに移行させないためには、

  • アレルギー反応が起きて皮膚炎が出る食べ物は避けること
  • 保湿を徹底してあげること。
  • 皮膚を炎症の無い綺麗な状態にキープしてあげること。

3つが重要となります。

すでに食物アレルギーの食べ物があって、それを食べると湿疹が出る場合には、その食べ物は避けるようにします(当たり前ですが)。

逆に、血液検査で抗体値が高い食べ物であっても、食べてみて湿疹などのアレルギー症状が出ない場合には、その食べ物を除去する必要は必ずしもありません。

過度な除去食は、アトピー治療に有効ではないうえに、子供の正常な発育を妨げる危険性も出てきます。

また、子供のアトピーを慢性化させないためには、アレルゲン(アレルギーを発症させる物質)の数を増やさないことが大切です。

アレルゲンは食べ物だけではなく、ダニ・ホコリ・ペットの糞などの異物もアレルゲンとなります。

乾燥していたり、炎症・湿疹がある皮膚は、そのバリア機能が低下していることが知られています。

健康な皮膚では、皮膚のバリア機能のおかげで、ダニ・ホコリなどの異物が肌に触れても、それが体内に侵入してしまうことはありません。

一方、バリア機能の失われた乾燥した皮膚・炎症のある皮膚では、異物が体内に簡単に侵入してしまい、それがアレルゲンとなって体内に抗体が出来ることになります。

一度抗体が出来てしまうと、その後、同じ物質(ダニやホコリ)が皮膚から侵入した際に、アレルギー反応が起こってしまい、皮膚炎の症状が出てしまうのです。

つまり、子供のアトピーを子供のうちに治すためには、ダニやホコリなどのアレルゲンとなる異物を皮膚から体内に入れないことが大切になります。

異物を皮膚から体内に入れないためには、皮膚のバリア機能を一定以上にキープしてあげることが必要で、

そのためには、

  • 保湿を徹底すること
  • ステロイド外用薬を適切に使って、皮膚炎の無い状態をキープすること

という2つのポイントが重要です。

保湿剤を頻繁に塗ってあげることで、皮膚のバリア機能を人工的に補って、アレルゲンになる異物の侵入を防ぐことができます。

また、ステロイドの塗り薬をきちんと使って、出てきた皮膚炎をしっかりと綺麗に治してあげることも、皮膚のバリア機能の維持のために大切となります。

このように考えると、

  • ステロイドを怖がって使わず、皮膚炎の酷い状態が長く続いてしまうこと
  • 「脱保湿」というアトピー治療法を信じ、保湿剤を使わないこと

このような対策は、子供のアトピーにとっては最悪です。

皮膚のバリア機能が低い状態が続き、皮膚から異物が入り放題になって、アレルゲンが増え続けるからです。

アレルゲンが増えるということは、アトピーの悪化原因が増えるということですから、アトピー治療はさらに難しくなっていきます。

 

保湿剤とステロイド外用薬をきちんと使って、常に皮膚のバリア機能が一定レベル以上になるようにキープすることが、子供のアトピーを慢性化させないために必要なのです。

4. まとめ

子供のアトピーの主な原因が、成長とともに軽減する食物アレルギーやドライスキンであった場合、アトピーは自然と治る可能性が高いです。

でも、自分の子供のアトピーがそういう性質のものなのか?を判別するのはかなり厳しいです。

そう考えると、自然と治ることに期待するのではなく、「保湿の徹底と適切な外用剤の使用」という対策をきちんと行って、アトピーを慢性化させないことにフォーカスを当てたほうが安全と言えます。


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